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自然界の「ムダの進化」が生物多様性を支える 生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存 研究成果

掲載日:2020年7月13日

生物の装飾や求愛行動などの適応的特徴の進化は、その個体にとっては有利でも、種全体の増殖率への貢献は期待できないことから、種の繁栄にとっては、いうなれば「ムダの進化」です。東北大学大学院生命科学研究科の近藤教授、クイーンズランド大学 山道上級講師のほか、兵庫県立人と自然の博物館、理化学研究所数理創造プログラム、京都大学、千葉大学、琉球大学、弘前大学、東京大学の研究者からなる共同研究グループは、この「ムダの進化」こそが、自然界で競争排除を生じにくくしている要因である可能性を理論的に示しました。本研究では、これまで生物多様性との関係が省みられることのなかった要因が、種多様性の維持にとって重要であることを明らかにしたという斬新な成果を得ました。
本研究結果は7月13日*のTrends in Ecology & Evolution誌(電子版)に掲載されました。
本研究はJSPS科研費 JP16H04846「ムダの生態学:種内競争による形質進化が多種共存に及ぼす影響の解明(代表 近藤)」の助成を受けたものです。

*Trends in Ecology & Evolution誌(電子版)での掲載が、7月9日から13日に変更されました。

論文情報

Masato Yamamichi, Daisuke Kyogoku, Ryosuke Iritani, Kazuya Kobayashi, Yuma Takahashi, Kaori Tsurui-Sato, Akira Yamawo, Shigeto Dobata, Kazuki Tsuji, Michio Kondoh, "Intraspecific adaptation load: a mechanism for species coexistence," Trends in Ecology & Evolution, doi:10.1016/j.tree.2020.05.011.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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