PRESS RELEASES

印刷

植物に特有なRNAポリメラーゼVによるゲノム安定性につながるノンコーディングRNAの転写を同定研究成果

掲載日:2020年11月17日

 生命情報を持つ設計図のような存在であるゲノムDNAには、積極的に情報を読み取られる領域と読み取られにくい抑制的な領域に分けられる制御を受けています。植物は情報の読み取りを担う5つのRNAポリメラーゼが読み取る領域を使い分けることで、ゲノム状態を制御していることがわかっています。しかしながら、どのようにRNAポリメラーゼたちがゲノムの中で領域を決定しているのかが謎でした。
 今回東京大学大学院総合文化研究科の都筑正行助教(研究当時ミシガン大学博士研究員)ら、ミシガン大学のAndrzej Wierzbicki博士の研究室のメンバーは、モデル植物シロイヌナズナを用いて、抑制的な領域を転写することがわかっていたPol Vの転写物RNAを網羅的に同定することに成功しました。その結果、これまで知られていた領域以外にも、予想に反して活性的な領域からもノンコーディングRNAが産生されていることを明らかにしました。これにより植物の遺伝子サイレンシング機構に関する新たなモデルを提示することができ、農作物のエンジニアリングなど応用面での価値も期待されます。
 

論文情報

Masayuki Tsuzuki, Shriya Sethuraman, Adriana N. Coke, M. Hafiz Rothi, Alan P. Boyle, Andrzej T. Wierzbicki*, "Broad non-coding transcription suggests genome surveillance by RNA polymerase V," Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, doi:10.1073/pnas.2014419117.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる