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みえてきた、はたらく細胞の複雑なかたち ~リアル細胞とデジタル細胞の橋渡し~ 研究成果

掲載日:2021年8月13日

東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻の井元大輔大学院生(研究当時)および澤井哲教授らのグループは、基礎生物学研究所の斉藤稔特任准教授、山口大学の岩楯好昭准教授らのグループ、北里大学の片桐晃子教授らのグループと共同で、アメーバや免疫細胞などのはいまわる細胞の形を、深層学習によって特徴づけ、その動きを特徴づけるダイナミクスのモデル解析を通じて、その基本制御機構の新たな数理的描像を得ることに成功しました。細胞運動の数理モデリングは、近年盛んにおこなわれるようになりましたが、実際の細胞の運動形態をどの程度よく捉えているのか、客観的かつ体系的な比較がおこなわれずにいました。実験とモデルデータの形状を定量的に比較することにより、これまでのモデルが捉えられていなかった特徴を明らかにし、加えて、これを克服するより表現力の高い新規モデルを提案しました。今回、はいまわる細胞がとる多様な運動形状を統一的に理解する枠組みが整備されたことで、これまでとらえどころがなかった免疫細胞などの複雑な運動形態を検出、分類するなど、生体組織中の細胞機能の解明、操作に役立つことが期待されます。

論文情報

井元大輔、斉藤稔、中島昭彦、本田玄、石田元彦、杉田登代子、石原沙耶花、片桐晃子、沖村千夏、岩楯好昭、澤井哲*, "“Comparative mapping of crawling-cell morphodynamics in deep learning-based feature space“," PLOS Computational Biology: 2021年8月13日, doi:10.1371/journal.pcbi.1009237.

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