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ダイナミックな相互作用が駆動する相分離機構 溶液NMR法で明らかとした天然変性領域の役割 研究成果

掲載日:2026年5月21日

 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター生体分子動的構造研究チーム(研究当時)の嶋田一夫チームディレクター(研究当時、バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)理事、現理研名誉研究員、生命医科学研究センターNMR共用促進チーム客員主管研究員)、東京大学大学院薬学系研究科生命物理化学教室の竹内恒教授、同大学院薬学系研究科附属ワンストップ創薬共用ファシリティセンターの岡部弘基特任准教授らの共同研究グループは、RNAヘリカーゼの一種DEAD-Box RNA helicase 3 X-linked(DDX3X)タンパク質が、細胞内のストレス顆粒の形成を駆動する仕組みの一端を明らかにしました。
 DDX3Xは、mRNAの高次構造をほどくRNAヘリカーゼ活性を持ち、細胞内のストレス顆粒の形成を制御する中心的な因子であることが知られています。しかし、DDX3Xのどのような分子間相互作用がストレス顆粒形成を制御しているのか、またDDX3XによるRNAの認識がストレス顆粒の機能にいかに寄与しているのか、詳細な分子機構は十分に明らかになっていませんでした。
 今回、共同研究グループは、溶液核磁気共鳴分光法(溶液NMR法)を用いて、DDX3Xの天然変性領域(IDR)による、RNA中のグアニン4重鎖(GQ)構造の選択的な認識が、ストレス顆粒形成、および顆粒へのDDX3XとRNAの局在を決定する一因であることを明らかにしました。
 この研究成果は、ストレス顆粒のようにこれまでに創薬標的とは考えられていなかった非膜細胞小器官(オルガネラ)に対して作用するような、全く新しい機構を持つ創薬の技術開発に貢献すると期待されます。

論文情報

Yuki Toyama, Shinichiro Inakami, Masaharu Takarada, Kohki Okabe, Koh Takeuchi, Ichio Shimada, "Phase separation driven by dynamic interactions in the N-terminal intrinsically disordered region of the DEAD-box RNA helicase DDX3X," Journal of the American Chemical Society: 2026年5月20日, doi:10.1021/jacs.5c22149.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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