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全光コンピューティングの新手法、Diffraction Castingで大規模並列論理演算が可能に研究成果

掲載日:2024年10月3日

人工知能(AI)等の飛躍的な発展に伴い、GPU(Graphics Processing Unit)やTPU(Tensor Processing Unit)に代表される並列型演算器の需要が高まっています。そのため従来の電子式コンピューティングにおける速度、規模、エネルギー効率等の性能向上の限界を見据え、光の物理的性質を用いた新たな演算手法が活発に探索されてきました。
今回、情報理工学系研究科システム情報学専攻の堀﨑遼一准教授、益子遼祐大学院生、成瀬誠教授(研究当時)からなる研究グループは、学術変革領域研究(A)「光の極限性能を生かすフォトニックコンピューティングの創成」プロジェクト(領域代表:早稲田大学理工学術院 川西哲也教授)において、光の波動性を活用するために新たに設計した複数の回折光学素子から成る小型光学系を用い、大規模並列論理演算が光の速度で実行可能な全光コンピューティングの新手法「Diffraction Casting」を提案しました。
この手法では、これまで困難とされていた16種の256ビット並列論理演算が可能になり、次世代計算システムにおいて、空間並列性を活用した光コンピューティングが多大に寄与できる可能性を示しました。また、この手法は、コンピューティングにとどまらず、イメージングやセンシングと融合した新たな情報処理機構の枠組みの基盤となり、幅広い分野へ波及することが期待されます。 
この研究成果は日本時間2024年10月3日に国際学術誌「Advanced Photonics」のオンライン版に掲載されました。

論文情報

Ryosuke Mashiko, Makoto Naruse, and Ryoichi Horisaki*, "Diffraction casting," Advanced Photonics, doi:10.1117/1.AP.6.5.056005.

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