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東京大学 ソニーグループ株式会社との「越境的未来共創社会連携講座」を開始 アートと技術を通して社会課題に向き合う学際的研究教育を推進 記者発表

掲載日:2024年2月5日

国立大学法人東京大学(以下、東京大学)は、ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)と協力し、東京大学 大学院情報学環(以下、大学院情報学環)に「越境的未来共創社会連携講座」(通称: Creative Futurists Initiative)を2023年12月に設置し、この度協働活動を開始します。

本講座は、社会課題に向けた批評分析的アプローチと、アート・デザイン・⼯学を通じて未来に向けた問題提起・課題解決を⾏う創造的アプローチを結合し、両⽴させる人材をCreative Futurist(クリエイティブ・フューチャリスト)と呼び、その育成と学際的実践研究の推進を目的とするものです。

情報学に関わる文理融合の研究・教育を推進し、アートやデザインなど表現領域の実践にも力を入れる大学院情報学環を中心とする東京大学と、多様な事業や技術に対する知見を有するソニーが連携し、本講座を通じて、学生と技術者やビジネスパーソン、クリエイターなどの有識者が共同で、社会課題、技術、およびアートのアプローチを複合的に取り入れた創造プロセスや思考法の習得、さらに未来に向けた創造的提案の実践機会を提供します。具体的には、社会課題の詳細な観察や内発的動機から根本の本質を捉えなおす「[1]学際的・批評的視点による問いの抽出」、および新たな問いを解決する手段として先端的メディア技術を駆使した「[2]創造的視点による提案実装」を軸とし、さらに「[3]専門性を超えたコラボレーションを通した越境的・集合的思考に基づく創造活動」に向けた共同研究、教育および国際連携展開に取り組みます。

主なプログラムは以下の通りです。

・レクチャーシリーズ
東京大学の担当教授が講師を務め、主に本学学生とソニーの社員を対象にした講義を企画・実施します。外部のクリエイターやアーティスト、国際研究機関などを招致し、サステナビリティやイノベーション、アートシンキングなど多様な視点から、現代社会に対する課題提起やその解決に取り組むための思考法を学ぶ機会を提供します(講義は一部を一般公開予定)。

・ワークショップ
本講座を通じて思考法や創造プロセスをより深く習得するため、参加者が少人数のグループに分かれて、越境的未来共創について直接議論をするワークショッププログラムを提供します。

・実践プロジェクト
本学学生とソニーの社員がプロジェクトグループを組織し、より実践的な研究プロジェクトに取り組む機会を提供します。具体的には、ジェンダーや障がいなどのバイアスや、サステナビリティ等の課題をテクノロジーで解決する研究活動や、越境的共創のための方法論に関する調査・研究などを推進します。また、NPO/NGOセクターとの協働機会や海外の大学・アート機関との連携も視野に入れ、フィールドワークや国際的な活動に力を入れます。

対外的には、シンポジウム・展示・研究発表会などの機会を設け、国内外に向けて広くその成果を公開する予定です。

社会連携講座概要:
  • 名称
  (和文)越境的未来共創社会連携講座
  (英文)Transboundary Co-creation for Futures
  • 設置期間
   2023年12月1日~2027年3月31日(3年間4ヶ月)
  • 設置機関
   国立大学法人東京大学 大学院情報学環
  • 連携機関
   ソニーグループ株式会社
  • 担当教員
   特任教授(兼務) 筧康明
   特任教授(兼務) 苗村健
   特任教授(兼務) 田中東子 他

東京大学大学院情報学環 教授 筧 康明の紹介
博士(学際情報学)。物理素材特性とデジタル技術を掛け合わせたインタラクティブメディア研究を推進する。活動は工学・アート・デザインの分野を越境し、SIGGRAPH、Ars Electronica Festival、ICCなどでの作品展示や、STARTS PRIZE 2022 Honorable Mention、第23回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、2012年グッドデザイン賞BEST100など受賞多数。

東京大学大学院情報学環 学環長 山内 祐平のコメント
情報学環は文理融合を理念に掲げ、既存の分野に捉われずに越境的に研究・教育を推進してきました。今回の越境的未来共創社会連携講座でのソニーグループとのコラボレーションを通して、創造的な人材が育まれ、独創的な研究成果が生まれることを期待しています。

ソニーグループ株式会社 テクノロジープラットフォーム コーポレートテクノロジー戦略部門 部門長
住山 アランのコメント

当社は、多様な事業とテクノロジー、そして人材の多様性を活かしながら、より良い未来を創るイノベーションの創出に取り組んでいます。本連携講座を通じて、東京大学の学生や、世界で活動するクリエイターおよび有識者の方々と知見を交わし、越境的思考をもって未来を担っていく次世代人材の育成とコミュニティの醸成に貢献してまいります。

本講座開設を記念し、2024年2月22日(木)15時より東京大学 情報学環・福武ホール 地下2階 福武ラーニングシアターにて、本講座の担当教員やソニーの関係者、国際連携組織らが参加するキックオフシンポジウムを開催します。
シンポジウムにて本講座のねらいや企画をより具体的に紹介します。主な登壇者には、本学より山中俊治 特別教授、林香里 理事・副学長、ソニーから北野宏明執行役 専務CTOなどが予定されており、アート、テクノロジーおよび企業活動を通した社会課題への向き合い方や、異分野共創に関するパネルディスカッションを行います。本シンポジウムは学外からも参加可能で、詳細は本講座公式Webサイトに記載します。

公式Webサイト:https://cfi.iii.u-tokyo.ac.jp/

Creative Futurists Initiative設立記念シンポジウム開催概要 (※都合による内容変更の可能性あり)

【日 時】2024年2月22日(木) 14:30開場 15:00~18:30(18:30~20:00 懇親会)
【会 場】東京大学 情報学環・福武ホール 地下2階 福武ラーニングシアター
【主 催】越境的未来共創社会連携講座
【登壇者】東京大学:林 香里(理事・副学長)/山内 祐平(大学院情報学環長・学際情報学府長)/山中 俊治(特別教授)/
     筧 康明(大学院情報学環教授)/田中 東子(大学院情報学環教授)/渡邉 英徳(大学院情報学環教授)/
     高木 聡一郎(大学院情報学環教授)

     ソニー:北野 宏明(執行役 専務 CTO)/住山 アラン(コーポレートテクノロジー戦略部門 部門長)/
     戸村 朝子(コーポレートテクノロジー戦略部門 コンテンツ技術&アライアンスグループ 統括部長)/
     シッピー 光(サステナビリティ推進部 シニアゼネラルマネジャー)

【プログラム】
 第一部 15:00~16:30
  講座設立挨拶  山内 祐平(東京大学)
  講座設立挨拶  住山 アラン(ソニー)
  Creative Futurists Initiative ~講座概要と関連活動の紹介
          筧 康明、田中 東子、渡邉 英徳、高木 聡一郎(東京大学)、シッピー 光(ソニー)
 第二部 16:40~18:30
  基調講演1   北野 宏明(ソニー)
  基調講演2   山中 俊治(東京大学)
  パネルディスカッション
          林 香里、山中 俊治(東京大学)、北野 宏明(ソニー)、 筧 康明(東京大学)、戸村 朝子(ソニー)
  閉会挨拶    林 香里(東京大学)

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