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最悪性脳腫瘍の増殖を制御する新たな仕組みを解明研究成果

掲載日:2018年9月18日

 近年の研究により、腫瘍を構成するがん細胞は多様性をもっており、異なる性質を持つがん細胞が互いに密接に連携することで腫瘍の薬剤耐性や進展、浸潤に寄与していることが明らかとなっています。その中でも「がん幹細胞」と呼ばれる細胞が腫瘍を形成する強い能力(造腫瘍能)を持っていることがわかってきました。  
 今回、東京大学定量生命科学研究所の秋山徹特任教授、同大学大学院理学系研究科の船戸洸佑大学院生(研究当時)らは、同医学部附属病院の脳神経外科より提供された最悪性脳腫瘍「グリオブラストーマ」の検体を、がん幹細胞を維持した状態で培養(グリオブラストーマ幹細胞)し、その未分化性の維持、増殖に重要な遺伝子のスクリーニングを行い、得られた遺伝子の機能解析を行いました。その結果、1)脱アセチル化酵素SIRT2がグリオブラストーマ幹細胞の造腫瘍性の維持や増殖に必須なこと、2)SIRT2がp73を脱アセチル化して、p73の転写活性を抑制することが腫瘍形成に重要であることを明らかにしました。  
 本研究成果により、今後、SIRT2を標的とした薬剤の開発が進み、脳腫瘍の治療に貢献することが期待されます。
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