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染色体を守りつつ核内を浄化する仕組みの解明研究成果

掲載日:2019年9月25日

 静岡大学大学院総合科学技術研究科理学専攻の丑丸敬史研究グループと、東京大学定量生命科学研究所の小林武彦研究グループは、細胞の核内成分を分別浄化する仕組みの一端を解明しました。
 核は膜で囲まれているため、その中に溜まった不要物(ゴミ)を処理するために特殊な仕組み、ヌクレオファジー(核内物質を分解するオートファジー)があります。オートファジーは、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典先生が解明された細胞内浄化装置です。核内には生命の根源であるDNAが染色体として格納されているため、ヌクレオファジーは、染色体DNAを傷つけずに核内の核小体を選別して分解します。しかし、その巧妙な分別分解の仕組みはまだ不明です。
 
 今回の研究は、モデル生物である酵母を用いて、染色体自身が縮むこと(凝縮)により、染色体が効率よく核小体から分離し、ヌクレオファジーによる分解から逃避することを見出しました。染色体が凝縮できない場合には、染色体が核小体から分離できなくなり、ヌクレオファジーによる核小体タンパク質の分解も抑制されました。しかし、その場合でも染色体の分解は起こらなかったことから、染色体を分解から守る安全装置の存在も示唆されました。この核小体タンパク質の分解が飢餓時の細胞の生存に重要でした。神経細胞内に蓄積する毒性タンパク質の蓄積と認知症の関係が指摘されています。本研究は、ヒトの神経細胞におけるアンチエイジングへの応用研究が期待されます。

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