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不要なタンパク質が分解を受ける前に解きほぐされる仕組み研究成果

掲載日:2019年12月13日

東京大学定量生命科学研究所(白髭克彦所長)の深井周也准教授と東京都医学総合研究所(田中啓二理事長)の佐伯泰副参事研究員の共同研究グループは、不要なタンパク質や異常タンパク質を解きほぐす酵素であるCdc48の、2つの補因子Ufd1とNpl4が結合する仕組みと、Npl4がユビキチン鎖を認識する方法を明らかにしました。これまでの研究により、Cdc48の補因子Npl4がユビキチン鎖を認識する事でCdc48はユビキチン鎖で標識されたタンパク質を解きほぐすことが知られていましたが、Npl4がどの部分を使ってどのようにユビキチン鎖を認識しているのかは不明でした。また、Cdc48が機能を果たすためにはCdc48、Ufd1、Npl4がそれぞれ相互作用して安定な複合体を形成する必要がありますが、Ufd1とNpl4がどのように結合しているのかも不明でした。共同研究グループは、ユビキチン鎖およびUfd1がNpl4と結合した状態の立体構造を決定し、さらに分子・細胞レベルでの変異体解析を行うことで、Cdc48–Ufd1–Npl4複合体の形成機構や、Npl4によるユビキチン鎖認識の分子機構を明らかにしました。Cdc48は細胞のがん化や神経変性疾患に係るため、本成果はこれらの疾病の原因の解明や、創薬につながる知見になると期待されます。
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