令和5年度 東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程入学試験筆記試験における出題ミスについて記者発表

掲載日:2022年9月6日
令和5年度 東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程入学試験
筆記試験における出題ミスについて
筆記試験における出題ミスについて
東 京 大 学
このたび、令和5年度大学院新領域創成科学研究科入学試験において、環境システム学専攻(修士課程)における筆記試験の専門科目Bの問題の一部に出題ミスがあることが判明いたしました。出題ミスの内容、発見の経緯及び本学の対応は次のとおりです。
なお、入学試験の合否判定においては、不利益を被る受験者がないように措置いたしました。
1.入試実施の概要
○試験実施日
令和4年8月23日(火):筆記試験 英語、専門科目A、専門科目B ※
令和4年8月24日(水):口述試験
※専門科目B は、5つの問題から成り、問題1に必ず解答し、残りの
4問(問題2~5)の中から1問を選択して解答する。
○合格発表日
令和4年9月6日(火)
○受験者数
環境システム学専攻修士課程 52名(うちオンライン受験者16名)
2.出題ミスの内容
令和4年8月23日(火)に実施した筆記試験の専門科目 B の問題5の(4)(4-2)において、以下の誤記載(符号の誤り)があった。

(専門科目B 問題5(4)の該当箇所の抜粋)

[解説]
誤記載(符号の誤り)により問題文で表記しているファントホッフの式とは異なる式となっている。なお、誤記載(符号の誤り)の式を用いても解答は可能であるが、本来想定されている解とは別の解が導き出されてしまう。
3.出題ミスの発見の経緯
試験終了後の採点時(8月25日)に、出題者が発見した。
4.出題ミスへの対応
出題ミスのあった(4-2)とその結果を用いて解答する(4-3)について、問題5を選択した受験者8名全員を正解とする措置を講じた。そのうえで、この措置による合否判定への影響について、問題2~4を選択した受験者を含むすべての受験者に対して精査し、その影響が無いことを確認した。具体的には、この措置に基づいた採点合計点分布に対して合否ラインを決定し、この措置の有無による最終合格者変更が起こらないことを確認することで、この措置によって不利益を被る受験者は生じていないと判断した。
なお、環境システム学専攻(修士課程)筆記試験受験者全員に対して、9月6日(火)の合格発表日当日、出題ミスの発生及び出題ミスの内容や対応をメールにて連絡した。
5.出題ミスが発生した原因
当該科目の出題者により複数回の確認を実施すると共に、出題者以外の教員を含めて複数の教員により複数回の査読を実施した。さらに試験当日は、問題作成に関わらなかった教員が受験者の目線で実際に試験問題を解いて確認した。しかし、誤った式を用いても本来想定されている解とは別の解が導き出されてしまうことに加えて、模範解答との厳密な照合よりも、解答に必要な情報が提供されているかという観点からのチェックを重視してしまったため、ミスの見落としが起きてしまった。
6.再発防止対策等
今後、入学試験問題の作成に当たってはこのようなことが再発しないよう、今回のミスの発生した経緯を関係教員へ十分に説明するとともに、問題をチェックする体制や手順について再度検討し、再発防止を徹底する。具体的には、式を教科書等の出典を参照しつつ丁寧に確認する。また、当該問題の確認は、解答の過程を記載した印刷物を配布して行ったが、今後は解答の過程をその場で板書し、確実に確認するようにする。さらに、当日受験者の目線で試験問題を解いて確認する作業において、解答可能であることを確認するだけでなく、今後は模範解答と厳密に照合するなど、より丁寧に確認を行う。