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群集の安全とサービスの向上を目指す社会連携研究部門 「群集マネジメント研究会」発足

掲載日:2017年5月29日

実施日: 2017年05月18日

民間企業8社が参加。講義の後にはテーマについての勉強会が行われた。

2017年5月18日、世界的にも学術的な研究が進展する群集マネジメントの最先端を担う先端科学技術研究センターの西成 活裕 教授及び西成研究室(数理創発システム分野)と多様なステークホルダーによる「群集マネジメント研究会」が発足しました。
 
群集マネジメント研究は、人が集まる場所における群集の安全な誘導や警備、快適なサービス提供などを考える総合的で学際的な取り組みです。群集マネジメントが必要とされるのは大規模なイベントだけでなく、群集内での感染症の拡大予防、災害・緊急時の避難ルートやロジスティクスの問題など幅広く、群集マネジメントが適切に行われなかったためにけが人や死者が出た事例もあります。近年ますますその重要性が叫ばれていますが、残念ながら我が国では経験と勘に基づいた個別的な対応をしている場合が多く、群集マネジメントとして包括的に議論する場はありませんでした。
 
西成教授は、2010年にサウジアラビアで開催された Transport and crowd management forumに日本人として初めて招聘された際、日本での群集マネジメント標準化の必要性を痛感し、約2年かけて「群集マネジメント研究会」発足に向けて活動してきました。「群集マネジメント研究会」には、交通事業者として東日本旅客鉄道株式会社と東京地下鉄株式会社、セキュリティ事業者としてセコム株式会社、電機機器メーカーとして三菱電機株式会社、集客施設向けICT関連事業者として株式会社グッドフェローズ、建築土木関連事業者として鹿島建設株式会社、大規模施設運営事業者として成田国際空港株式会社と株式会社東京ドームの計8社が参加し、物理学、社会心理学、生物学などによる群集行動の理論、プライバシーや建築基準法など群集関連の法規、シミュレーションやAIを活用した群集行動の予測など、群集マネジメントに必要な学際的な視点から研究を行います。西成研究室における最先端の渋滞研究の知見と、現場でのさまざまなノウハウの融合により、新たな社会価値を創造していきます。
 
2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピックなどの大規模なイベント開催に加え、都市への人口集中や大規模災害・テロ、来日観光客の増大など、多くの課題を抱える日本において、混雑発生を予測し予防すると共に、混雑発生後の適切な対処により、危険な状態をいち早く回避する方法などを広く社会へ提言し、最終的には「群集マネジメント」を科学的に標準化した成書の出版やクラウドマネージャーの育成を目指します。
 
群集マネジメント研究会 ウェブサイト
http://www.crowdmanagement.jp/
先端科学技術研究センター 西成研究室
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tknishi/



オープニング前の様子

「群集マネジメント研究会」への熱い思いを伝える西成教授

民間企業8社が参加。講義の後にはテーマについての勉強会が行われた
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