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日本列島最古の鉱床年代決定に成功 Re-Os法により日立鉱床の生成年代が明らかに

掲載日:2014年9月17日

日立鉱床の反射顕微鏡写真(左)および化学分析により得られる187Re/188Os同位体比と187Os/188Os同位体比の近似直線(Re-Osアイソクロン、右) 。Re-Osアイソクロンより、日立不動滝鉱床の年代は5億3,300 ± 1,300万年前と求められ、日本列島最古の鉱床であることが明らかになった。

© 2014 Kato Lab. and JAMSTEC.
日立鉱床の反射顕微鏡写真(左)および化学分析により得られる187Re188Os同位体比と187Os/188Os同位体比の近似直線(Re-Osアイソクロン、右) 。Re-Osアイソクロンより、日立不動滝鉱床の年代は5億3,300 ± 1,300万年前と求められ、日本列島最古の鉱床であることが明らかになった。

東京大学大学院工学系研究科の加藤泰浩教授、独立行政法人海洋研究開発機構 海底資源研究開発センターの野崎達生研究員、鈴木勝彦上席研究員らは、レニウム-オスミウム (Re-Os) 年代決定法を用いて、長い間不明であった茨城県日立鉱床(海底火山・熱水活動に伴う噴気性堆積鉱床で、火山岩を母岩とする銅・亜鉛鉱床;火山性塊状硫化物鉱床)の生成年代を、鉱床を構成する硫化鉱物から直接決定することに成功しました。その結果、日立鉱床の生成年代はこれまで考えられていた石炭紀前期(約3億2,320万年前~3億5,890万年前)ではなくカンブリア紀(4億8,540万年前~5億4,100万年前)であり、日本列島最古の鉱床であることを明らかにしました。

本成果は、先行研究により提唱された日立地域に分布する1億5千万年間にわたる地質記録の欠落(ハイエタス)や本地域にカンブリア紀の地質が広く分布することを裏付ける証拠であり、日本列島がたどった歴史を再構築するうえで、その初期過程の年代幅を絞り込む重要な年代制約になることが期待されます。

プレスリリース (JAMSTEC)

論文情報

Tatsuo Nozaki, Yasuhiro Kato and Katsuhiko Suzuki,
“Re-Os geochronology of the Hitachi volcanogenic massive sulfide deposit: The oldest ore deposit in Japan”,
Economic Geology Online Edition: 2014/9/1 (US time), doi: 10.2113/econgeo.109.7.2023.
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