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白い表紙にカラフルな縦帯模様

書籍名

環境政策論講義 SDGs達成に向けて

著者名

竹本 和彦

判型など

260ページ、A5判

言語

日本語

発行年月日

2020年2月10日

ISBN コード

978-4-13-062319-3

出版社

東京大学出版会

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環境政策論講義

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環境・経済・社会の統合的向上と包摂的な社会の実現を目指す「持続可能な開発目標」(SDGs) が国連で採択されてから5年が経過し、国内外でSDGsの達成に向けた様々な取組が進められている。わが国においては、内閣総理大臣を議長とし、全ての閣僚により構成される「SDGs推進本部」が2016年5月に設置された。同年12月「SDGs実施指針」が決定され (2019年12月改訂)、本指針に則り全省庁挙げてSDGs達成に向けた取組が展開されている。
 
本書は、こうした社会変革への移行期において、これまでの環境政策を振り返りつつ、新たな環境政策を探求していく際の道標を示したもので、まさに時宜を得て刊行された。
 
公害問題の解決に端を発し、地域環境の改善から、地球規模の環境問題への対応へと視野を広げてきたわが国の環境政策の歩みを丹念に辿りながら、それぞれの課題への政策対応について的確に解説している。そのうえで、SDGsを中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と気候変動対策のための「パリ協定」という国際的合意を踏まえたわが国の環境政策の統合的アプローチについて体系的に論じている。
 
サステイナビリティや「持続可能な開発」についての議論が国際社会で始まって久しい。現在国際社会は、新型コロナウイルス感染の世界的拡大による社会経済に対する甚大な影響を受けている。こうした状況の中、国連は緊急対応から長期的な回復に至る道のりを (1) 最も強固で協力的な健康・医療対応を整備し、(2) 多くの人々の生命、生計を守るとともに経済への影響を緩和し、さらに (3) 今回の危機から教訓を学び、より良い社会の構築を目指すとの三段階で進めるとしている。とりわけ第3段階の回復にあたっては、「持続可能な開発のための目標」(SDGs) 及び「パリ協定」で合意された世界目標の達成を求め、より包括的かつ持続的な開発をもたらしていくべきと強調している。この様な時代であればこそ、SDGsへの対応が大きなカギを握ることが強調されている。
 
日本政府においてもこの様な状況の下、持続可能でレジリエントな回復を目指し、(1) 脱炭素社会、(2) 循環型社会、(3) 分散型社会の3つの社会の再構築を実現していく方針を明らかにしているが、まさに本書は、こうした持続可能な回復に向け、統合的な環境政策のあるべき姿を検討するうえで、重要な素材を提供するものといえる。
 
SDGsは、広く社会で認知される段階から、真の持続可能な社会の実現にむけて多様なステークホルダーがパートナーシップを構築し、社会変革に取り組む段階へと進化している。本書が、将来に亘り、何らかの形で環境問題の解決に関与するとともに、持続可能な社会の実現に向け貢献していく志を有する学生諸氏に幅広く活用されることを願っている。

 

(紹介文執筆者: 未来ビジョン研究センター 特任教授 竹本 和彦 / 2020)

本の目次

序章 環境政策の考え方と手法
1. 環境政綾の原則と手法
2. 日本の環境政策の全体像
 
第I部 環境問題への対応
第1 章 大気環境
第2 章 水環境
第3 章 廃棄物と資源循環
第4 章 気候変動
第5 章 化学物質
第6 章 生物多様性
 
第II部 社会を変える仕組み
第 7 章 持続可能な開発とSDGs
第 8 章 SDGs 達成に向けた取組
 
終章 SDGs時代の環境政策のさらなる展開に向けて
1. SDGsの特徴
2. SDGs 時代の環境政策のあり方

関連情報

書評:
酒井伸一 評 (『学会誌』No.4 食品ロス半減に向けて 第31巻 第4号 2020年7月)
https://jsmcwm.or.jp/journal/?post_type=journal&p=2354
 
加藤三郎 評 (環境文明21会報『環境と文明』Vol.28 No.4 2020年4月号)
http://www.kanbun.org/kaze/kaihou/202004_All.pdf

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