東京大学教員の著作を著者自らが語る広場

白い表紙に手書きの題字

書籍名

さらに、法学を知りたい君へ 社会とつながる13講

著者名

東京大学法学部「現代と法」委員会 (編)

判型など

224ページ、四六判、並製カバー付き

言語

日本語

発行年月日

2025年9月

ISBN コード

978-4-641-12661-9

出版社

有斐閣

出版社URL

書籍紹介ページ

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さらに、法学を知りたい君へ

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法学を学ぶと、どのような興味深い課題に出会い、かかわることができるのか。文系・理系を問わず、東京大学の学部1年生・2年生を対象として、2021年度から、法学部の教員十数名が1コマずつ講義をする「現代と法」という授業を開講しています。
 
『さらに、法学を知りたい君へ - 社会とつながる13講』は、主に、2023年度と2024年度の「現代と法」の授業内容を1冊にまとめたものです。13名の法学部教員が1講ずつを執筆しています。
 
2021年度の「現代と法」の成果として、『まだ、法学を知らない君へ - 未来をひらく13講』を既に出版しており、2022年度の「現代と法」を中心とした成果として、『いま、法学を知りたい君へ –世界をひろげる13講』を既に出版しています。『さらに、法学を知りたい君へ - 社会とつながる13講』は、第3弾であり、このシリーズに参加するのが初めての教員を中心に13名が執筆しています。
 
学部1年生・2年生だけでなく、法学部とはどのようなところなのかと関心を持った高校生、学ぶ意義を再確認しようとする学部3年生・4年生や法科大学院の学生、アンテナをさらに磨こうとする職業人など、多くの皆様が手に取ってくださるならば、ありがたく存じます。
 
この授業では、法学部のオーソドックスなカリキュラムにおいてどの学年に配置されているかを問わず、広い範囲の専門分野の教員が、1コマずつ、各自が対峙している専門的課題を紹介することとしています。「現代と法」という抽象的なタイトルとすることによって、実定法学だけでなく、基礎法学の専門家にも参加していただけるようにし、現に講義し執筆していただいています。「現代の法」でなく「現代と法」とすることで、歴史に題材をとる研究の紹介にもフィットし得るようにしています。
 
この授業は、法学部に進んで法学を学ぼうという学生だけに向けた授業ではありません。自然科学やコンビュータ科学をはじめとした他の分野で将来を切り開くには、多彩なバックグラウンドがあるに越したことはなく、そして、そうした分野での成果を社会に実装するには、社会・人間・規範といったものへの洞察が欠かせません。13コマの授業で全てを伝えることができないのは当然ですが、そうしたものの存在を感じさせる多彩な窓を紹介するのが、この授業の役割だと考えています。本書は、それを書籍にまとめ、さらに広い範囲の皆様に同じことをお伝えしようとするものです。
 
東京大学の場合、1年生・2年生と法学部との間には、キャンパスの違いという地理的な壁もあります。まずこの壁を様々な工夫で乗り越えることが、高校生を含む一般社会への発信にもつながるものと考えています。
 
本書が、法学を学ぼうとする方々が教養科目や基本科目に取り組む際の視野を広げ、また、法学以外の分野で活躍しようとする方々にとって自らの関心分野と法学との関連性を意識的に考察する機会となれば、幸いです。
 

(紹介文執筆者: 法学政治学研究科・法学部 教授 白石 忠志 / 2025)

本の目次

第1講 令状なしで「逮捕」?(小島慎司
第2講 租税の公平性と中立性(神山弘行
第3講 防災と災害対応の仕組みはどうなっているか(米村滋人
第4講 ブロックチェーンと金融法(加藤貴仁
第5講 企業活動と法律の関係(増見淳子
第6講 令和の民事手続法改正(松下淳一)
第7講 性犯罪処罰規定の改正から考える刑法(橋爪 隆
第8講 自転車による交通違反を減らすにはどうすればよいか?(川出敏裕
第9講 フリーランスは労働者?(荒木尚志)
第10講 AIと著作権(田村善之
第11講 デジタルプラットフォームをどう規制するか(滝澤紗矢子
第12講 ロシア=ウクライナ戦争から国際法の実像を捉える(伊藤一頼
第13講 裁判員制度と民主主義(Dimitri Vanoverbeke
 

関連情報

書籍紹介:
【ブックリスト】知的探求心をくすぐる (NewsPicks 2025年11月13日)
https://newspicks.com/news/15467437/body/
 
BOOK INFORMATION (『法学教室』No.541 2025年10月)
https://www.yuhikaku.co.jp/static_files/BookInfo202510-12661.pdf

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