
書籍名
いま、法学を知りたい君へ 世界をひろげる13講
判型など
232ページ、四六判、並製カバー付き
言語
日本語
発行年月日
2024年9月
ISBN コード
978-4-641-12646-6
出版社
有斐閣
出版社URL
学内図書館貸出状況(OPAC)
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法学を学ぶと、どのような興味深い課題に出会い、かかわることができるのか。文系・理系を問わず、東京大学の学部1年生・2年生を対象として、2021年度から、法学部の教員十数名が1コマずつ講義をする「現代と法」という授業を開講しています。
『いま、法学を知りたい君へ - 世界をひろげる13講』は、主に、2022年度の「現代と法」の授業内容を1冊にまとめたものです。13名の法学部教員が1講ずつを執筆しています。
2021年度の「現代と法」の成果として、『まだ、法学を知らない君へ - 未来をひらく13講』を既に出版しており、『いま、法学を知りたい君へ –世界をひろげる13講』は第2弾となります。
学部1年生・2年生だけでなく、法学部とはどのようなところなのかと関心を持った高校生、学ぶ意義を再確認しようとする学部3年生・4年生や法科大学院の学生、アンテナをさらに磨こうとする職業人など、多くの皆様が手に取ってくださるならば、ありがたく存じます。
この授業では、法学部のオーソドックスなカリキュラムにおいてどの学年に配置されているかを問わず、広い範囲の専門分野の教員が、1コマずつ、各自が対峙している専門的課題を紹介することとしています。「現代と法」という抽象的なタイトルとすることによって、実定法学だけでなく、基礎法学の専門家にも参画していただけるようにし、現に講義し執筆していただいています。「現代の法」でなく「現代と法」とすることで、歴史に題材をとる研究の紹介にもフィットし得るようにしています。
この授業は、法学部に進んで法学を学ぼうという学生だけに向けた授業ではありません。自然科学やコンビュータ科学をはじめとした他の分野で将来を切り開くには、多彩なバックグラウンドがあるに越したことはなく、そして、そうした分野での成果を社会に実装するには、社会・人間・規範といったものへの洞察が欠かせません。13コマの授業で全てを伝えることができないのは当然ですが、そうしたものの存在を感じさせる多彩な窓をお見せするのが、この授業の役割だと考えています。本書は、それを書籍にまとめ、さらに広い範囲の皆様に同じことを感じていただこうとするものです。
東京大学の場合、1年生・2年生と法学部との間には、キャンパスの違いという地理的な壁もあります。まずこの壁を様々な工夫で乗り越えることが、高校生を含む一般社会への発信にもつながるものと考えています。
本書が、法学を学ぼうとする方々が教養科目や基本科目に取り組む際の視野を広げ、また、法学以外の分野で活躍しようとする方々にとって自らの関心分野と法学との関連性を意識的に考察する機会となれば、幸いです。
(紹介文執筆者: 法学政治学研究科・法学部 教授 白石 忠志 / 2024)
本の目次
第2講 法を通じて世界を見る(巽 智彦)
第3講 国会のオンライン審議は可能か(宍戸常寿)
第4講 18歳,19歳の者は大人か?子どもか?(成瀬 剛)
第5講 多様化する働き方と社会法(笠木映里)
第6講 母子関係の比較法──外国法の参照は無意味か?(齋藤哲志)
第7講 会社はSDGsのために存在するのか?(松井智予)
第8講 なぜデッド・コピー(酷似的模倣)を禁止しなければいけないのか?(田村善之)
第9講 自動運転と法・その1──総論 (藤田友敬)
第10講 自動運転と法・その2──自動運転車による交通事故と民事責任・刑事責任(後藤 元)
第11講 大きいことは悪なのか?競争法は巨大企業にどう対処するか(Simon VANDE WALLE)
第12講 租税競争をくいとめる(増井良啓)
第13講 競争法の国際的適用(白石忠志)
関連情報
BOOK INFORMATION 担当編集から (『法学教室』No.529 2024年10月)
https://www.yuhikaku.co.jp/static_files/BookInfo202410-12646.pdf