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書籍名

Ebisu. Études japonaises 60号 La judiciarisation des enjeux sociaux et environnementaux au Japon: continuités, transformations, évolutions (日本における社会・環境問題の司法化:継続性、変容、進化)

著者名

SALA Adrienne、 GIRAUDOU Isabelle (編)

言語

フランス語

発行年月日

2023年

ISSN コード

1340-3656

出版社

Institut français de recherche sur le Japon à la Maison franco-japonaise

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司法化に関するフランスや国際的な研究は、日本についてほとんど注目をしていない。日本では、この司法化という現象について十分な議論がなされていないからである。『日本における社会・環境問題の司法化:継続性、変容、進化』と題する本特集号は、このような二つの短所を補うことが目的である。本特集号は、2021年から2023年にかけて日仏会館 (IFRJ-MFJ) で行われた仏日共同研究プログラム「仏日両国における社会・環境問題の司法化」の成り立ちを可能にした数多くの交流に基づいている。アドリエンヌ・サラが主導し、特にイザベル・ジロドウが参画した本プロジェクトは、公共政策の形成における司法機関の役割に関する概念化を構築することを目的としていた。
 
既存の文献は主に、日本における司法に関わる生活の特定の側面、すなわち一般に穏健派とみられる「法意識」、限定的な司法積極主義、合意形成の優先的追求といった点に焦点を当ててきた。本特集は、より細かいニュアンスを汲み取ったアプローチをとり、司法化というものを、進化する制度的・規範的な視点を取り入れた社会的かつ政治的な現象として把握している。本特集は、このアプローチをベースにして、日本の公共政策形成における司法の役割と影響についての理解を深めている。法と社会との相互作用に対してボトムアップ・アプローチを採用した本特集号の寄稿 (論文8本と対談1本) は、日本の民主主義における司法の政治的・社会的意義を明らかにする。
 
本特集号に寄せられたいくつかの投稿は、日本の法律専門家が法的主張を構成する際に果たす役割を検証し、責任に対する法的枠組みが制限的である場合に最大限の成果を上げる彼ら法律家の能力を浮き彫りにしている。2022年に迎えた民事調停100周年を振り返り、ベアトリス・ジャリュゾーは訴訟という従来の手続き的枠組みを超えた紛争解決の代替手段を探求する。ディミトリ・ヴァンオーヴェルベークの寄稿は、21世紀初頭の司法改革と裁判員制度の導入に批判的視点を提供する。鹿毛利枝子の寄稿は、さらなる洞察を提供し、司法化の核心的要素であるとともに、21世紀日本の司法化の発展についての決定的要因である裁判員制度の形成過程を詳細に分析している。続く5本の寄稿 (町村泰貴、水町勇一郎、大久保規子、イザベル・ジロドウ、小沼イザベル) は、消費者問題、労働、環境、家族法の各分野において訴訟が法改正に与えた影響を検証する。本特集号の締めくくりとして、セレステ・アリントンが、アドリエンヌ・サラが行ったインタビュー対談とその翻訳によって、特に日本と韓国に焦点を当て、法、司法積極主義、公共政策策定の相互作用を分析する。
 
これらの寄稿を総合すれば、司法・行政・立法の三権間の複雑な動態を継続的に研究することに価値があることが示されており、日本の司法機関の概念化と公共政策理論への統合は、少なくとも部分的にはこうした研究に依存するものといえる。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科・教養学部 教授 イザベル・ジロドウ / 2026)

本の目次

Dossier. La judiciarisation des enjeux sociaux et environnementaux au Japon : continuités, transformations, évolutions
日本における社会問題・環境問題の司法化 継続、変容、進化
 
Adrienne Sala et Isabelle Giraudou
Introduction
序文
 
Béatrice Jaluzot
Le centenaire de la conciliation civile au Japon
日本の民事調停100周年
 
Dimitri Vanoverbeke
Le jury populaire au Japon: la conscience du droit en éclosion ou « beaucoup de bruit pour rien » ?
日本の裁判員制度 ― 法意識の芽生えか、「から騒ぎ」か?
 
Rieko Kage
La mise en place du système de jury populaire au Japon: la « responsabilité » comme intérêt
日本の裁判員制度の創設 – 説明責任を果たすことの利点
 
Yasutaka Machimura
L’impact et les limites de l’action de groupe: vers une judiciarisation de la société japonaise ?
消費者団体訴権のインパクトとその限界―日本社会の司法化の可能性
 
Yūichirō Mizumachi
La Loi portant réforme de la manière de travailler au Japon: quelques réflexions du point de vue de la « judiciarisation »
日本の「働き方改革」―「司法化」の観点からの分析
 
Noriko Okubo
Problèmes environnementaux et pouvoir judiciaire au Japon
日本の環境問題と司法
 
Isabelle Giraudou
Chronotopes du contentieux climatique au Japon: maillons d’une judiciarisation pour l’Anthropocène ?
『エネルギー転換』の批判的分析:その意味 - 日本における人新世(アントロポセン)の法律と気候変動訴訟戦略
 
Isabelle Konuma
Les mouvements LGBT et le droit au Japon: autour du mariage entre personnes de même sexe
日本のLGBT社会運動と法 ― 同性婚の権利を検証する
 
Celeste Arrington et Adrienne Sala
Entretien avec Celeste Arrington
セレステ・アリントンのインタビュー対談
 

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