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難治性スキルス胃がんの治療標的候補となる活性化遺伝子変異を同定 がんゲノムシーケンシングによる治療標的探索の成果

掲載日:2014年6月11日

胃がんは日本におけるがんの主な死亡原因の一つであり、年間約5万人が亡くなっています。胃がんは臨床病理学邸に腸型胃がんとびまん性胃がんに大別されます。びまん性胃がんは胃の中で増殖し、広がる傾向が高く、繊維組織の増殖や肥大を伴う硬い間質をもつことからスキルス胃がんと呼ばれます。スキルス胃がんはきわめて悪性度の高い難治がんであり、これまで有効な分子標的治療薬がないという問題がありました。

© 2014 石川俊平
研究の概略図

東京大学 先端科学技術研究センターの油谷浩幸教授、垣内美和子大学院生と大学院医学系研究科の深山正久教授らの研究グループは、東京医科歯科大学・難治疾患研究所との共同で、スキルス胃がんのゲノムシーケンシングを行い新規の創薬標的候補となるRHOA(ローエー)遺伝子変異を同定しました。RHOA遺伝子は細胞運動や増殖制御に関わる遺伝子で、今回見つかったRHOA遺伝子変異は解析の結果、がん化を促進する活性化変異であることが分かりました。

今回見つかったRHOAの活性化遺伝子変異は現在有効な分子標的治療薬が存在しないスキルス胃がんに対する新規の治療標的となる可能性があります。

プレスリリース

論文情報

Miwako Kakiuchi, Takashi Nishizawa, Hiroki Ueda, et al., Kazuhiko Koike, Yasuyuki Seto, Masashi Fukayama, Hiroyuki Aburatani, & Shumpei Ishikawa,
“Recurrent gain-of-function mutations of RHOA in diffuse-type gastric carcinoma”,
Nature Genetics Online Edition: 2014/5/11, doi: 10.1038/ng.2984.
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先端科学技術研究センター ゲノムサイエンス部門

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