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大越慎一教授(化学専攻)がフンボルト賞を受賞

掲載日:2019年12月16日

このたび、化学専攻の大越慎一教授が、フンボルト賞を受賞されました。フンボルト賞は、ドイツ政府のアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が創設した賞で、人文学、社会学、理学、工学、医学、農学の分野において、後世に残る重要な研究業績を挙げ、今後も第一線で活躍が期待される国際的に著名な研究者に対して授与されるものです。ドイツで最も栄誉のある国際賞とされており、受賞者の中から多くのノーベル賞受賞者を輩出していることでも知られています

今回の受賞は、大越教授の相転移現象に着目した画期的な新物質の創出に関する研究に対してです。大越教授は、自身の斬新な分子設計に基づき、これまでに湿度応答型磁性、光スピンクロスオーバー強磁性、キラル光磁性、磁化誘起第二高調波発生などの新現象を示す磁性金属錯体を発見し、学術界から高い評価を受けています。また、極めて大きな保磁力を示す高性能フェライト磁石であるイプシロン型-酸化鉄(ε-Fe2O3)とその超高周波ミリ波吸収性能を発見し、応用分野にも大きなインパクトを与えています。これらの成果は、BBCニュースで世界的に報道されたほか、ε-Fe2O3は英国立ロンドン科学博物館 (サイエンス・ミュージアム・ロンドン) にて特別展示されました。また、ラムダ型-五酸化三チタン (λ-Ti3O5) を発見し、酸化物で初めて光誘起相転移を実現すると共に、長期的に熱エネルギーを保存できる長期蓄熱セラミックスという新概念を提唱し、AFP通信を通じて世界に発信され大きな反響を受けています。これらの研究業績は、論文350編、総説120編に加え、特許出願230件に及んでおり、世界的に高い学術評価を得るとともに、産業界からも大きな注目を集めています。

この度のご受賞を心よりお祝い申し上げますとともに、今後の益々のご活躍を祈念致します。

フンボルト賞
http://www.humboldt-foundation.de/web/humboldt-award.html

理学系研究科・理学部からは,有馬朗人元総長 (1987年)、小柴昌俊特別栄誉教授(1997年)、中村栄一特任・名誉教授(2006年)、小林俊行教授(2008年)、小林修教授(2013年)らが受賞されています。

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