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言語情報科学専攻の三田雅人さんらが言語処理学会で最優秀賞を受賞

掲載日:2025年6月11日

大学院総合文化研究科 言語情報科学専攻博士課程 大関研究室所属の三田雅人さんらの発表論文「作業記憶の発達的特性が言語獲得の臨界期を形成する」が、言語処理学会第31回年次大会 (NLP2025) において、最優秀賞(採択論文765件中1件)を受賞しました。

業績概要
本論文は、人間の言語獲得が効率的に進む時期である臨界期における作業記憶の発達的特性を言語モデルに組み込む手法を提案した論文です。具体的には、学習初期に「作業記憶」を制限し、学習が進むにつれて指数関数的に制限を緩和する仕組みを導入し、文法評価ベンチマークでの性能評価実験を通してその有用性を示しました。これらの知見は、効率的な 大規模言語モデル設計の新たな指針を提供するだけでなく、人間の言語獲得における 臨界期仮説を支持する重要な証拠となります。

受賞理由
本論文では、言語獲得効率における理論である「臨界期仮説」に着目し、臨界期に相当する時期の「作業記憶」を制限し、学習の過程で指数関数的に制限を緩めるような言語モデルを設計し、これが学習効率にどのような影響を与えるかを分析しています。言語モデルにはGPT-2を利用し、文法評価ベンチマークデータを用いて評価しています。制限をしない場合や線形に制限を緩める場合などと比較し、制限があることや指数関数的緩和が重要であることを示しています。アイデアが独創的で興味深い研究であり、自然言語処理にも認知科学にも重要な知見が含まれており、最優秀賞にふさわしいと判断しました。(言語処理学会第31回年次大会表彰一覧より)
論文情報
三田雅人, 吉田遼, 深津聡世, 大関洋平. 2025. 作業記憶の発達的特性が言語獲得の臨界期を形成する, 言語処理学会第31回年次大会, 1387-1392.
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授与式の様子
最優秀賞賞状

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