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新領域創成科学研究科の学生チームが「銀茶会の茶席」で最優秀賞を受賞

掲載日:2021年10月28日

新領域創成科学研究科 佐藤淳研究室の中村太一さんが率いるチームの作品「精彩」が日本建築学会主催の建築文化週間学生グランプリ2021「銀茶会の茶席」において、最優秀賞を受賞しました。
 
銀茶会は、年に一度、銀座通りの周辺にお茶席を設けて行われる野点大茶会です。2021年で19回目の開催となり、2009年からは銀座三越の会場にて学生の設計・制作による学生創作茶席を展示・使用しています。例年は最優秀作品を原寸大で設計・施工し、実際に茶席として使用しますが、今年は新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から1/2模型の展示に変更されました。
 
日本建築学会 建築文化週間学生グランプリ2021「銀茶会の茶席」最優秀賞
作品タイトル「精彩」
中村太一(チームリーダー)東京大学大学院新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻 佐藤淳研究室
中村 遼  東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻 安原研究室
三浦 隆哲 東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻 野口研究室
山田璃々子 慶応義塾大学SFC 環境情報学部 石川研究室

最優秀賞受賞作品「精彩」

今回の作品募集のテーマは「ひと会」。チームリーダーの中村太一さんは、岡部明子教授(新領域創成科学研究科)の授業で茶室の設計を手伝っていたこともあり、工学部建築学科の同期である中村遼さんと三浦隆哲さんを誘いコンペへの参加を決意しました。しかし自分たちは「茶室」に詳しくないため、実際に茶道をやっている山田璃々子さん(慶応SFC)を誘い、チームが結成されました。
 
ーー作品「精彩」のコンセプト
チームは「人と人、人と自然が出会う」ことをテーマにしようと考えました。本来ならば屋外で自然を体感できるような設計ですが、展示は屋内で開かれるため、「生け花」の概念を用い「借景」として内部に季節の葉を連想させるオブジェを置くことで、自然の中で行われる野点であることを表現しました。銅線パネルを繋げてシェルを作るアイデアを思いつき、絵を描いてみたときに生命感のようなものを感じ、生命力という意味をもつ『精彩』と名付けました。色鮮やかな銅の発色、「精」という自然の中に宿る魂という意味も込めました」(中村さん)
 
ーー作品の制作で苦労した点
制作期間は18日間。本来ならば約2カ月の制作期間が設けられるところ、新型コロナウイルス感染拡大防止のため大幅に短縮されました。急遽タイトなスケジュールに対応することとなり、制作はバタバタだったと言います。「銅線パネルを100枚以上制作する必要があり、一人当たりの作業量は膨大でした。曲面のシェル構造は骨組構造よりも複雑で、構造モデルをうまく作ることもできなかったので、十分な検証ができない中、制作しなければなりませんでした。暗中模索しながらも、絶対に建つと信じて作業を進めていきましたね」(中村さん)



太さの違う3種類の銅線を円柱に巻きつけ18×25cmのパネルを制作。
銅は空気に触れると酸化して風合いを変えてしまう。
そこに「はかなさ」を感じ、銅という素材を使うことで茶道における「わび」を表現した。


パネル同士を接合し1枚の布のような形状に。
パネルの重なった部分を、銅線でまつり縫いのように固め補強した

そんな苦労のかいもあって見事に最優秀賞を受賞した「精彩」。中村さんは、「何よりも、いっしょに戦ってくれたメンバーや手伝ってくれた人に感謝したい。良い報告ができることが何よりも嬉しかった」と、チームへの感謝を口にしました。
 
前回の「浮雲」に続いての連続受賞となった中村さん。「『最後まで諦めずに信じて行動すること』が良い結果を招いたのかなと思います。また、どちらの作品も決して僕だけの力では受賞には至りませんでした。仲間がいたからこそ達成できたことですし、チームのみんなの力を引き出すことが大切なんだということを改めて認識しました」
 
チームリーダーとして、連続して2つの作品を最優秀賞受賞に導いた中村さん。しばらくはコンペを休み、研究活動に専念すると言います。
「今回の作品は「構造物の中に人が入る」という点で、とくに「安全性」について改めて考えさせられました。構造エンジニアを目指す私としては、「安全な建築物」として成立しているかということは大変重要なことですので、今後も肝に銘じていきたいと思います」と語りました。


写真右から:中村太一さん、山田璃々子さん、中村遼さん、三浦隆哲さん、佐藤淳准教授

画像提供:佐藤淳研究室

 

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