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小原 一成 教授が恩賜賞・日本学士院賞を受賞

掲載日:2024年3月26日

2024年3月12日、小原 一成 教授(地震研究所附属観測開発基盤センター)が、第114回(令和6年)恩賜賞・日本学士院賞を受賞しました。

<日本学士院賞 受賞理由>
研究題目:プレート境界における深部低周波微動の発見とスロー地震学への発展
小原一成教授は、防災科学技術研究所在職中に、阪神淡路大震災を契機として計画された高 感度地震観測網 Hi-net の整備に関する業務を行う傍ら、全国から収集される連続波形デー タを詳細に分析し、非常に微弱で低周波の振動に卓越する深部低周波微動という現象を世 界で初めて発見し、その震源が南海トラフ巨大地震想定震源域の下限と一致することを明 らかにしました。さらに、微動に同期してプレート境界が数日かけてゆっくり滑る短期的ス ロースリップイベントや数 10 秒に卓越する深部超低周波地震などを次々と発見しました。 これらの現象はいずれも通常の地震に比べてプレート境界がゆっくり滑る「スロー地震」を 構成するものであり、小原教授はスロー地震の全体像を明らかにしたとともに、スロー地震 の様々な特徴を見出しました。これらの成果は、世界の地球物理学界から大いに注目された とともに、国際的かつ学際的な「スロー地震学」という新分野の創成・発展に大きく貢献し ました。社会的側面としては、これらの研究成果が南海トラフ巨大地震の最大規模の再評価 や防災情報の発出に活用されるなど、国の防災・減災施策にも貢献しています。

https://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2024/031201.html#002

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