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国際研究集会 「維新史料研究と国際発信」を開催

掲載日:2020年1月22日

 2019年12月10日、史料編纂所・同所維新史料研究国際ハブ拠点形成プロジェクトの共催(協力:JSPS人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業)により、国際研究集会「維新史料研究と国際発信」を開催いたしました。史料編纂所では、本年度から「維新史料研究国際ハブ拠点形成プロジェクト」を開始し、維新史料綱要データベースという幕末維新史データベースの英語化と、そのための歴史用語・史料用語の英訳グロッサリー研究を行っています。本研究集会は、日本史を研究してこられた海外の研究者を招聘して、本プロジェクトに何が望まれるのか、海外研究者の視点から意見を得るとともに、本プロジェクトや本所所蔵幕末維新史料・本所幕末維新史データベースについての国際発信を行うものです。研究集会では、史料編纂所から箱石大准教授・横山伊徳教授・杉本史子教授・小野将准教授の4名が報告し、ルーク・ロバーツ教授(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)、ロバート・ヘリヤー准教授(ウェイク・フォレスト大学)の2名の海外研究者からコメントを頂戴しました。

 まず箱石報告「維新史料編纂会と大日本維新史料稿本」では、『維新史料綱要』の元となった「大日本維新史料稿本」という史料集の特徴と意義が紹介され、それを編纂した組織であり、現在の史料編纂所の源流の一つである維新史料編纂会の歴史について、史学史的検討がなされました。続く横山報告「史料編纂所の歴史情報研究と維新史料室DBの位置」では、歴史情報処理・歴史情報研究という観点から、史料編纂所におけるデータベース構築・運用の変遷と、維新史料綱要データベースの位置づけが示され、同データベースの国際化に当たって知識管理という課題が提起されました。杉本報告「19世紀大老文書の史料集刊行と電子索引公開」では、幕末政治史の貴重な史料である大老井伊直弼関係文書(彦根城博物館所蔵)と、それを史料編纂所が編纂・出版した『大日本維新史料 類纂之部 井伊家史料』との特徴が示され、現在構築・公開されている『井伊家史料』の電子索引とこのデータベースの研究上の意義が紹介されました。最後の小野報告「維新史料綱要データベースの英訳化と翻訳グロッサリー研究について」では、維新史料綱要データベース英訳化作業について、中心的な作業である綱文データ英訳の作業状況と見えてきた課題、及び維新史料綱要データベースのユーザーインターフェース英語化にあたっての問題点が報告されました。

 コメントに立ったロバーツ教授からは、蔵書のそれほど充実していない小さなアメリカの大学の学生・研究者であっても、英訳化によって簡単に維新史料綱要データベースにアクセスできるようになることは、非常に意義深く、大切な事業であるとの意見が寄せられました。同じくコメントに立ったヘリヤー准教授からは、世界的に見て維新史料綱要データベースのようなものはあまりなく貴重なものであり、英訳化によって国際共同研究にも役立ち、全世界で幕末維新期研究が可能になるとの意見が寄せられました。お二方とも、ご自身の日本史研究における御苦労を踏まえて、研究者だけでなく、これから日本史を学ぶ学生への効果という点でも、英訳化の意義を力説していらっしゃいました。

 当日は40名弱の出席者を得、ユーザーインターフェース面についての質疑応答や提案をはじめとして活発な議論がなされ、盛況のうちに終了しました。

(報告する箱石大氏(右端)。スクリーン右は司会・報告者の小野将氏)
(報告する箱石大氏(右端)。スクリーン右は司会・報告者の小野将氏)
(報告する横山氏)
(報告する横山氏)
(コメントするロバーツ氏(右)とヘリヤー氏(左))
(コメントするロバーツ氏(右)とヘリヤー氏(左))
 

関連書籍

東京大学史料編纂所 編『大日本維新史料 類纂之部 井伊家史料三十』 (東京: 東京大学出版会、2019.2年) ISBN: 978-4-13-090830-6

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