科学コミュニケーションイベント「サイエンスアゴラ」に東大が出展
東京大学は2018年11月10日(土)、11日(日)の二日間、東京のお台場地区で開かれた科学コミュニケーションイベント「サイエンスアゴラ」に出展しました。
科学技術振興機構主催のイベントの今年のテーマは「越境」。専門分野、背景、文化が異なる科学者と市民をつなぎ、協働を促すことを目指しました。
今年のサイエンスアゴラには総勢4000人以上が来場し、そのうち約400人が東大本部のブースを訪れました。東大本部の研究広報チームが出展したのは初めてです。
ブースでは、「ライフスタイル認証」と「深海のレアアース」という二つの研究プロジェクトを紹介しました。これらの研究は、すべての人が科学技術の進歩の成果を享受できるSociety5.0の実現に貢献するため、大学が現在行っている取り組みに含まれています。
ライフスタイル認証とは、日々の行動パターンによってユーザーが自らの認証を行うことががきる技術で、情報理工学系研究科の山口利恵特任准教授によって開発中です。来場者はスマートフォンを持って会場を歩き回り、4カ所でデータを受け取るゲームに参加しました。認証が成功した来場者は東大ブースに設けられた「魔法の鏡」でミッションの完了を確認しました。
工学系研究科の加藤泰浩教授率いる研究チームが深海から収集したレアアースのサンプルやレアアースを使った製品にも多くの来場者の関心が集まりました。チームが発見したレアアースは、太平洋の南鳥島近くの水深5000メートル以上の海底に眠っています。これらのレアアースを採掘するための新しい方法についての説明に、来場者は熱心に耳を傾けていました。
今回のアゴラには、生産技術研究所や学生サークルCASTも出展しました。生産技術研究所のブースでは、研究者のミニトークショーが行われた他、科学技術によってかなえてほしい願いを紙の「イチョウの葉」に来場者が書いて吊す「願いと実りのイチョウ」が展示されました。これらの願いは研究所に持ち帰られ、研究者と共有される予定です。いつしか新たな研究の種になるかもしれません。
また東大の学生サークルCASTのブースでは、紙コップを重ねて楽しむ万華鏡や、ピースの組みあわせを変えて音楽を鳴らしたりLED電球をつけたりできる回路パズルなど、楽しみながら科学が学べる手作りツールを使って来場者との交流が行われました。