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360度回転するラクタムアミドの発見 医薬品として期待される環状ペプチドの形の理解

掲載日:2019年2月25日

© 2019 大和田 智彦

東京大学大学院薬学系研究科薬科学専攻の尾谷優子講師と大和田智彦教授の研究グループは、同研究科の劉しん大学院生をはじめ複数の大学院生と共同で、環状アミド、すなわちラクタムのアミドが360度回転する系を世界で初めて構築しました。本研究では、徳島文理大学香川薬学部の山口健太郎教授のグループとX線結晶解析も行いました。

ラクタム構造を持つ生物活性化合物は多数ありますが、ラクタムのアミドは通常360度回転できないため、どの構造が実在しているかあまり理解が進んでいませんでした。また医薬品として期待される環状ペプチドには活性構造の理解が不可欠です。今回創製したラクタムアミドはアミドが窒素ピラミッド化を起こし、アミドの回転と窒素ピラミッド化の方向が協調して360度自由回転できることから、ラクタムアミドの回転が構造全体に与える影響を詳細に調べることができます。

本研究成果は、基礎化学研究のものですが、ペプチドを用いる生物活性物質や医薬品候補化合物の構造のデザインにも新たな情報を与えると期待できます。また、分子モーターをはじめ分子マシンへ適応も考えられます。

「当初からラクタムアミドの回転を研究していましたが、学会等で話すと「そんなこと考えたことがない」と多くの方から言われました」と大和田教授は話します。「自分たちはそれほど不思議ではなかったのですが、そのコメントに驚きました」と続けます。

論文情報

Yuko Otani, Xin Liu, Hisashi Ohno, Siyuan Wang, Luhan Zhai, Aoze Su, Masatoshi Kawahata , Kentaro Yamaguchi, Tomohiko Ohwada, "Amide nitrogen pyramidalization changes lactam amide spinning," Nature Communications: 2019年1月28日, doi:10.1038/s41467-018-08249-9.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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