第8回高度教養次世代セミナー 中国的二項対立の思考——ウチかソトか、虚か実か——

基本情報
区分 | 講演会等 |
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対象者 | 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生 / 教職員 |
開催日(開催期間) | 2025年5月24日 14時 — 16時 |
開催場所 | 柏地区 |
会場 | 東京大学柏の葉キャンパス駅前サテライト 1階多目的ホール 千葉県柏市若柴178-4-4 つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅西出口すぐ |
定員 | 80名 |
参加費 |
無料
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申込方法 | 要事前申込
以下URLより申込 https://forms.gle/3emuiUKuf3XxsnQC8 (ただし定員に達すると、URLに登録記入できません。) |
申込受付期間 | 2025年3月26日 — 2025年5月23日 |
お問い合わせ先 | xiaodao[at]l.u-tokyo.ac.jp(次世代人文学開発センター教授 小島毅) ※[at]は@に入れ替えてお送り下さい |
講演者 木村英樹 (本学名誉教授)
概要:「外(ソト)」の「国」と書いて「外国」。「中(ナカ)」と「国」と書いて「中国」。「中」とは〈ウチ〉を意味し、また〈中心〉をも意味します。中国語の話し手にとって「中国」とは〈ウチ〉なる国であり、世界の〈中心〉でもあります。世界は、中国が中心にあり、諸外国はその外周に位置するという捉え方です。日本語では「私のこの目、あなたのその目、彼のあの目」と三通りに指し分けますが、中国語では私とあなたの目はともに〈ウチ〉の領域にあり、彼・彼女の目は〈ソト〉の領域にあるものと捉え、前者を“这双眼睛”(この目)、後者を“那双眼睛”(あの目)と二通りに指し分けます。中国語話者による〈ウチ〉対〈ソト〉の二分法は、大は国家観から小は身の回りの事物の捉え方に至るまでさまざまなレベルで観察されます。ことほどさように中国語の話し手は物事を二項対立で捉えることを好みます。自分を取り巻くさまざまな存在を〈虚〉と〈実〉の対立で捉えるのもその一つです。中国語では、現在と過去の出来事は「見得る出来事」すなわち〈実〉なる存在、未来の出来事は「見得ぬ出来事」すなわち〈虚〉なる存在と捉え、それぞれに異なる表現法を用います。本講演では、中国語の表現法に見て取れる二項対立の分類思考の内実を明らかにし、この種の思考法が成立する歴史的な経緯を考察します。(中国語に関する予備知識は不要)
主催: 東京大学大学院人文社会系研究科次世代人文学開発センター
共催:同 大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻知的システムデザイン分野
協賛: 株式会社集英社