GSIセミナー「ヴァイス『追究』とフランクフルト・アウシュヴィッツ裁判」
基本情報
| 区分 | 講演会等 |
|---|---|
| 対象者 | 社会人・一般 / 在学生 / 教職員 |
| 開催日(開催期間) | 2025年11月27日 15時 — 16時30分 |
| 開催場所 | 駒場地区, ハイブリッド |
| 会場 | 対面:東京大学 駒場Iキャンパス18号館4階 コラボレーションルーム1 オンライン:Zoom |
| 参加費 |
無料
|
| 申込方法 | 要事前申込
参加を希望される方は、ミーティング登録ページから参加登録してください。 対面参加・オンライン参加とも事前に登録する必要があります。 その際、対面参加の場合は、姓名の後に〇印を付してください(記入例:東大 太郎 〇)。 定員:対面20名程度、オンライン100名程度 |
| 申込受付期間 | 2025年11月17日 — 2025年11月27日 |
| お問い合わせ先 | グローバル・スタディーズ・イニシアティヴ(GSI)事務局 contact*gsi.c.u-tokyo.ac.jp ※メールを送信する際は、*を半角@マークに変更してください。 |
GSIセミナー「ヴァイス『追究』とフランクフルト・アウシュヴィッツ裁判」講演者:速水淑子
【司会】
吉国浩哉(総合文化研究科言語情報科学研究専攻)
吉国浩哉(総合文化研究科言語情報科学研究専攻)
【コメント】
受田宏之(総合文化研究科国際社会科学専攻)・中尾沙季子(総合文化研究科地域文化研究専攻)
受田宏之(総合文化研究科国際社会科学専攻)・中尾沙季子(総合文化研究科地域文化研究専攻)
【言語】日本語
【共催】グローバル地域研究機構(IAGS)、地域文化研究専攻
【要旨】
1963年から65年まで、西ドイツ・ヘッセン州のフランクフルトで、ナチ政権下のアウシュヴィッツ強制収容所で行われた犯罪についての大規模な裁判が行われた。当時の収容所副官をはじめ看守ら24名が起訴されたこの裁判は、ホロコーストに関する司法追及の画期のひとつをなすだけでなく、多くの収容所生存者が法廷で証言を行ったことで、アウシュヴィッツにおける大量殺戮システムの全貌を明らかにすることにも寄与した。 公判にあたっては、裁判の実現に尽力したフリッツ・バウアーらの強い意向のもと、ドイツ市民への啓蒙も同時に目指された。裁判傍聴機会の提供や、マスメディアでの報道、シンポジウムや展覧会の開催のほか、裁判をもとにした小説や戯曲の執筆が呼びかけられた。裁判をきっかけに作られた作品のひとつに、戯曲家・小説家ペーター・ヴァイスによる『追究――アウシュヴィッツの歌』(1965)がある。
この戯曲は、フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判の様子を、1幕11場で描いた法廷劇である。戯曲のセリフの多くは、法廷での被告・証人・判事・弁護士・検事の発言がそのまま用いられている。ヴァイスは自ら公判の一部を傍聴し、アウシュヴィッツ強制収容所跡への現地視察にも同行したほか、執筆にあたって、「フランクフルト一般新聞」に掲載されたベルント・ナウマンの詳細な裁判記録を参照した。この裁判記録はほぼそのままの形で『アウシュヴィッツ裁判――1963年から1965年のフランクフルトにおけるムルカ等に対する刑事裁判の報告』として出版されている。
報告では、ヴァイスの戯曲とナウマンの報告、裁判の公式議事録と一部の録音テープを比較することで、ヴァイスが裁判をどのように戯曲化したのかを検討し、60年代西ドイツにおけるナチ政権との向き合い方という観点から、この作品の評価を試みる。ヴァイスの作品は、文学史的にみれば、社会問題を扱う政治演劇やドキュメンタリー・シアターの系譜に位置付けられる。報告では、歴史的出来事を文学作品で扱う際に生じる一般的な課題についても考えたい。
1963年から65年まで、西ドイツ・ヘッセン州のフランクフルトで、ナチ政権下のアウシュヴィッツ強制収容所で行われた犯罪についての大規模な裁判が行われた。当時の収容所副官をはじめ看守ら24名が起訴されたこの裁判は、ホロコーストに関する司法追及の画期のひとつをなすだけでなく、多くの収容所生存者が法廷で証言を行ったことで、アウシュヴィッツにおける大量殺戮システムの全貌を明らかにすることにも寄与した。 公判にあたっては、裁判の実現に尽力したフリッツ・バウアーらの強い意向のもと、ドイツ市民への啓蒙も同時に目指された。裁判傍聴機会の提供や、マスメディアでの報道、シンポジウムや展覧会の開催のほか、裁判をもとにした小説や戯曲の執筆が呼びかけられた。裁判をきっかけに作られた作品のひとつに、戯曲家・小説家ペーター・ヴァイスによる『追究――アウシュヴィッツの歌』(1965)がある。
この戯曲は、フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判の様子を、1幕11場で描いた法廷劇である。戯曲のセリフの多くは、法廷での被告・証人・判事・弁護士・検事の発言がそのまま用いられている。ヴァイスは自ら公判の一部を傍聴し、アウシュヴィッツ強制収容所跡への現地視察にも同行したほか、執筆にあたって、「フランクフルト一般新聞」に掲載されたベルント・ナウマンの詳細な裁判記録を参照した。この裁判記録はほぼそのままの形で『アウシュヴィッツ裁判――1963年から1965年のフランクフルトにおけるムルカ等に対する刑事裁判の報告』として出版されている。
報告では、ヴァイスの戯曲とナウマンの報告、裁判の公式議事録と一部の録音テープを比較することで、ヴァイスが裁判をどのように戯曲化したのかを検討し、60年代西ドイツにおけるナチ政権との向き合い方という観点から、この作品の評価を試みる。ヴァイスの作品は、文学史的にみれば、社会問題を扱う政治演劇やドキュメンタリー・シアターの系譜に位置付けられる。報告では、歴史的出来事を文学作品で扱う際に生じる一般的な課題についても考えたい。


