ウェブメディアで培った極意が女性向けゲームに結実
男性向けが多いモバイルゲームの世界で成長を続けるcoly。
女性が喜ぶストーリーを組み込む戦略の源には、創業者が学生時代に打ち込んだ成果報酬型ネット広告事業の極意がありました。
同級生に圧倒されてネット広告の道へ
株式会社coly
代表取締役副社長NAKAJIMA Mizuki 麻布十番の新オフィス入口にて、探偵&恋愛シミュレーションゲーム『&0』に登場するパグの「田中さん」ぬいぐるみと。
雑誌『日経ウーマン』が実施する「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2022
」で大賞を受賞した中島瑞木さん。双子の妹・杏奈さんとともに2014年に創業したcolyでモバイルゲームの開発・運営に携わっています。男性向けが主だった市場に女性向け作品を投入する戦略で成長し、2021年に東証マザーズに上場。コンソール版やマンガや舞台などマルチメディア展開される作品が多く、2025年には『魔法使いの約束
』がTVアニメ化されています。
「現在の時価総額は100億円ほどで、まだまだこれから」と語る中島さんは、教養学部の卒業生。理科二類から生命・認知科学科に進んでハムスターの精子などを観察する日々でしたが、同級生たちの地頭のよさに圧倒され、大学からは足が遠のくように。留年して中東~アジアを旅した後、インターン活動で一つの気づきを得ます。
「ウェブメディア会社で働いた際に広告配信サービスのAdSenseを知ったんです。根性と時間があれば稼げるとわかり、妹とウェブサイトを立ち上げました」
最初は中東問題を伝えるサイトだったものの、反響はほぼなし。かわりに芸能エンタメネタを書いたところ、一日200万~300万のアクセスを記録。この経験は姉妹に消費者向け事業の極意をもたらしました。
「自分が作りたいものにこだわるなら同人の世界でがんばったほうがいい。事業としてがんばるなら、ユーザーファーストが基本です」


ノベルゲームに活路を見出して
卒業して外資の証券会社に就職するも、3か月で退職した中島さん。ウェブメディア運営の傍ら、お客さんが求めるものを探していて気づいたのが、ノベルゲームでした。物語を読み進めるのが基本で、参入障壁が小さいのがこの分野。薬が効かない体質の女性主人公が麻薬捜査官となり、同僚の男性との恋愛ストーリーが展開する『ドラッグ王子とマトリ姫
』は、会社の道を拓く一作に。恋愛に特化したゲーム開発が女性ユーザーから大きな支持を集め、作品の二次創作で楽しむファンも増加。さらにうれしいこともありました。
「『ベッドから出られない日々でしたが、主人公やキャラクターを見て自分も勇気をもらいました』という言葉をお客さんからいただきました。ウェブメディア運営時代は数字を見ながら作業をしていましたが、いまはお客さんの顔を思い浮かべながらゲームを作っています」
ゲームの世界では男性向け作品が先行することが多く、その要素をいかに導入するかが今後の鍵だと語る瑞木副社長。「ほぼ同一人格」の杏奈社長、駒場の頃からともに歩む佐々木大地取締役、そして300名を超える仲間たちが、そのがんばりを支えています。
- 中島さんの推しゲー
- 『ELDEN RING
』(フロム・ソフトウェア)
「何度も死にながらクリア方法をつかむ超高難度アクションゲーム。キャラも深くて濃いのがおすすめポイントです」


