世界のどこからでも東京大学の教育を UTokyo Global Unit Coursesが開講、今年は17ヵ国から56名の海外学生が参加

東京大学には現在約4,000人の留学生が在籍していますが、さらなる国際化を目指すために、新たに英語により開講される短期教育プログラムを設置しました。この短期集中プログラム「UTokyo Global Unit Courses（UTokyo GUC）」を通して、世界中の学生が東大での学びを体験できるようになります。2021年の講義はすべてオンラインで提供され、学生は来日せずに参加することができました。本プログラムでは修了時に「Global Unit」が付与され、正式な修了証が発行されます。

UTokyo GUCを履修したシンガポール国立大学のFaith Amanda Siauwさんは文化研究と日本語のコースを受講しました。大学では社会科学の専攻で、とくに心理学と日本研究を学んでいます。UTokyo GUCに参加することで、シンガポールの自宅にいながら海外の大学の講義を体験することができました。

「自分の所属する大学以外の講義を受け、世界中の学生と交流する機会を求めていたので、このふたつのコースを受けたいと思いました。今まで大学で学んだ内容やスキルを補完することができると思ったのです」。

2021年度のUTokyo GUCには17カ国から男性19名、女性37名の合計56名の学生が登録しました。11名の東大生も参加し、世界中の学生と英語で学ぶ機会を得ました。

東大は、すでにedXとCoursera上で複数の大規模公開オンライン講座（MOOC）を提供していますが、UTokyo GUCは学生が教員と直接交流できる講義で、東大の正規課程の講義と同様、学術的に高いレベルのものです。

「東大としては、UTokyo GUCにより、通常の講義と同じ経験を提供したいと考えました。有意義な講義を体験することで、次は東大の大学院で学びたいと思う学生も出てくることを期待しています」と国際化教育支援室室長の矢口祐人教授は語ります。

自身もアメリカで学んだ経験を有する矢口教授（情報学環）は、UTokyo GUCでは「Writings About Japan: Analyzing Cultural Representations, From Orientalism to Artificial Intelligence」という講義を担当しました。

UTokyo GUCの講義は、1回90分の授業5回ないし10回で構成され、1週間もしくは2週間で終了します。クラスは少人数制で、今年度は7人から20人まででした。教員の講義を聞くのみならず、学生同士のディスカッションの場も設けられました。今年度は政治史、メディア研究、数学などの科目に加え、4つのレベルの日本語学習クラスが用意されました。

国際交流課学生受入チームの近藤理沙子係長は、UTokyo GUCの特徴として「日本の大学のサマープログラムの多くは、海外の学生を対象に日本の文化を紹介することに焦点を当てていますが、UTokyo GUCは東京大学の優れた学術・研究成果を活かし、各分野の第一人者である専任教員が教える専門的コースを提供しています」と説明しています。

Siauwさんは、「教員や学生との交流はとても楽しかったです。ティーチングアシスタントと他の学生のおかげで、ディスカッションやオンラインフォーラムでは安心して自分の意見を述べることができました」と振り返り、「今回のオンライン形式の講義は、期待以上のものでした。可能であれば将来、東大のキャンパスで講義を受けてみたいです」とコメントしてくれました。

UTokyo GUCは、2022年夏（6月～8月）にも講義数を増やして継続して実施する予定です。世界中の学生が参加できるように、オンデマンドを含むオンライン講義の提供を予定していますが、日本への入国制限が緩和されれば、対面講義を実施する可能性もあります。応募資格は、海外大学に現在在籍している学部生・大学院生、または卒業生です。2022年の受講費用は、オンラインコースは1ユニットで50,000円、対面コースは1ユニット150,000円の予定です。

コースの最新情報については、Global Unit Courseのウェブサイトか、公式フェイスブック・インスタグラムアカウントをご覧ください。