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オンライン授業を受講する学生の声を集めてWebで拡散|武居悠菜さん|コロナ禍と東大。

掲載日:2020年10月6日

コロナ禍と東大。
活動制限下の取組みから見えてくる新時代の大学の姿とは?
2020年。新型コロナウイルス感染症の影響で、東京大学の活動は想定していたものから大きく様変わりしました。本特集では、このおよそ半年間に東京大学の現場で行われてきた取組みの数々を記録し、ウィズコロナ時代の大学の活動とは何かを考えるきっかけを提供します。

オンライン授業を受講する学生の声を集めてWebで拡散

武居さん顔写真
武居悠菜さん TAKEI Yuna
教養学部理科二類2年 東大UmeeT編集部

「この大学は、もっと面白い。」を旗印に2015年から活動している東大生のWebメディア、UmeeT。編集部の武居さんは、新学期開始から2週間を経た4月下旬、Slackでの打ち合わせを機に、オンライン授業に関する学生の声を紹介する企画を担当しました。FacebookとTwitterを使って70人から集めた結果は、少し意外なものでした。

「満足度を訊ねたら7割以上が肯定的な評価でした。コロナ禍終息後もオンライン授業の継続を多くの人が望んでいたんです。自分も満足派でしたが、不満な人はこんなに少ないのか、と驚きました」

些細な点でもチャットで聞きやすい、お菓子やコーヒーを口にできて眠くならない、BGMを流す授業があって楽しい、通学がないからギリギリまで寝られる……と、自由回答ではリアルな声が並びました。最後の声には「絶起の回数も少なくなったのでは」と記事で返した武居さん。「絶望的な起床」の略語使いに、学生同士の距離感と媒体のカラーが窺えます。

一方で課題も浮かび上がりました。資料の共有方法がバラバラ、顔出しへの圧力がある、授業後に友達と話す機会が乏しい……。学生の強い要望は、授業を録画して視聴できるようにすることでした。これはネット環境が不安定な場合には死活問題。録画なら再生速度を調整でき、聞き直しも簡単なので、理解を深められます(一限目に絶起した時も安心)。

アンケート調査結果画像
アンケート調査結果から。「進学選択の面では、学科ガイダンスがオンラインになって気軽に参加しやすいという長所も感じます」(武居さん)
東大生の等身大の生き様を発信するUmeeT。読みは「ユーミート」です
https://todai-umeet.com UMeeTロゴ画像

「講堂の後方席だと、板書が見えなかったり、先生の声が聞こえづらいこともあります。大人数対象の講義ではオンラインのほうがいいことは明らかでした」

5月3日に公開した記事は大きな反響を呼びました。「先生方にも読んでほしい」との願いどおり、学内外の教職員が強く反応。武居さんには、6月5日に国立情報学研究所のシンポジウムで、6月18日には東大教職員向けの情報交換会で報告を行うという展開が待っていました。そして、7月8日には「東大オンライン授業化はなぜ成功したのか」と題する記事を公開。どうせならこの未曾有の状況が最高の授業に結びつくように。武居さんとUmeeTは、大学をもっと面白くする活動を続けています。

 

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