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バーチャル空間の安田講堂前広場で研究発表の卒業記念イベントを開催|畑田裕二さん|コロナ禍と東大。

掲載日:2020年10月20日

コロナ禍と東大。
活動制限下の取組みから見えてくる新時代の大学の姿とは?
2020年。新型コロナウイルス感染症の影響で、東京大学の活動は想定していたものから大きく様変わりしました。本特集では、このおよそ半年間に東京大学の現場で行われてきた取組みの数々を記録し、ウィズコロナ時代の大学の活動とは何かを考えるきっかけを提供します。

バーチャル空間の安田講堂前広場で研究発表の卒業記念イベントを開催

記念写真
イベント名の「LT」はLightning Talkの略。プレゼン終了後に参加者と観客で記念撮影を行いました。https://youtu.be/6Yij2rj59do
畑田さん顔写真
畑田裕二さん HATADA Yuji
学際情報学府博士課程1年

令和元年度卒業式が規模を縮小して開催された翌日、学生有志がある卒業記念イベントを行いました。会場はバーチャルSNS「cluster」のVR空間に現れた安田講堂前広場。15人の学生がアバター姿で順に登壇し、東大で打ち込んだ研究内容などを各々5~10分で発表しました。イベントの模様はYouTubeでライブ配信。学部の代表者しか参加できなかった式典に特別な彩りを加えたのは、VRを研究する大学院生の畑田さんです。

「卒業式の縮小が発表された翌日、何かやろうか、と友達にLINEしていました。clusterを使ったイベントは過去に何回もやっていて、VR研究者としてはベタすぎですが、考えすぎて何もやらないよりずっといいと思って」

式典をVRで模倣しても劣化するだけとの読みから、証書授与などは廃し、様々な分野の面白い東大生が話す企画に特化。東大らしい舞台にこだわり、VRサークルの後輩の所壮琉さんに安田講堂のVRワールド制作を打診した畑田さん。小規模でやるつもりでしたが、告知ページを用意し、Twitterで出演者を募集した後、人間拡張工学の稲見昌彦先生(先端科学技術研究センター)に相談したところ、「ちょっと動いてみます」との返事が。

「「エッ!?」と思っていたら、翌日、バーチャルリアリティ教育研究センターの初代センター長、廣瀬通孝先生からの祝辞が決定。さらに、五神総長も祝辞をくれるとの連絡が入りました。稲見先生と二人で総長室に赴き、祝辞動画を収録しました」

当日は、登壇順の急な変更、廣瀬先生の動画の途中停止といった事態はあったものの、クマムシのゲノム編集を手がけた学生、手にICチップを埋め込んだ学生、タタール語オリンピックに参加した学生など、気になる話が目白押し。充実した研究生活の数々を凝縮した3時間半となりました。実は自身も3月で修士課程を修了し、プレゼンもできた畑田さんですが、今回は運営に専念。アバターと心理の関係を論じる注目の研究の成果は、日本のVR研究を牽引してきた大学の博士課程で存分に発揮してくれることでしょう。

安田講堂画像
教養学部前期課程の所壮琉さんが作った安田講堂ワールドは現在も遊びに行くことができます! https://cluster.mu/u/RKTokoro
総長と畑田さん画像
告辞を述べる総長とMCの畑田さん。3月23日の学位記授与式告辞には「バーチャルに拡張された安田講堂」という言葉も登場していました

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