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2015-2020 UTokyo式典プレイバック

掲載日:2021年5月11日

2015-2020 UTokyo式典プレイバック

春と秋に行われる入学式・卒業式・学位記授与式は、大学の数多の行事の中でも特に重要な式典といえます。そこで誰がどんなことを話すのかについては、社会からも高い関心を集めてきました。この6年間の式典を、人と言葉を軸に振り返ります。

総長が言及した東大ゆかりの人々

2015年度 高峰譲吉、木村栄、長岡半太郎、南部陽一郎、浅井祥仁、小林冨雄、ベルツ、北里柴三郎、岡倉天心、高楠順次郎、下田正弘、梶田隆章、戸塚洋二、梅謙次郎、穂積陳重、富井政章、谷山豊、岩澤健吉、宇沢弘文、小柴昌俊
2016年度 梶田隆章、橋本進吉、石塚龍麿、小柴昌俊、戸塚洋二、大隅良典、中根千枝、安井誠一郎、東龍太郎、高木憲次
2017年度 上野英三郎、大隅良典、水島昇、池田菊苗、モース、箕作佳吉、小野秀雄、吉野作造、南原繁、村山斉、藤原帰一、神取道宏、高橋延清、服部四郎、駒井和愛、長岡半太郎、北里柴三郎、木村栄、山極勝三郎、青山胤通
2018年度 岡倉天心、フェノロサ、梅謙次郎、穂積陳重、富井正章、杉田精司、橘省吾、小川誠二、本庶佑、北里柴三郎、石坂公成、多田冨雄、見田宗介
2019年度 出雲充、鈴木健吾、原ひろ子、森鴎外、養老孟司、梶田隆章、小柴昌俊
2020年度 内田祥三、南原繁、新渡戸稲造、丸山眞男、原広司、廣松渉、北里柴三郎、佐藤幹夫、佐倉統、鈴木梅太郎

五神総長は、式典では毎回多くの東大の先達の功績を紹介しながら学生をエンカレッジしてきました。35回の式辞・告辞で言及した東京大学ゆかりの先達は60人以上。明治から大正、昭和、平成まで。そして、理学、医学、化学、農学といった理系分野から、史学、文学、社会学、経済学といった文系分野まで。その顔ぶれは非常に幅広く、140有余年の歴史を擁する日本の総合大学の価値を余すところなく伝えています。

祝辞をいただいた皆様

2015年度 苅谷剛彦、佐藤勝彦
2016年度 梶田隆章、芳賀徹
2017年度 大隅良典、石井菜穂子
2018年度 ロバート キャンベル、十倉好紀
2019年度 上野千鶴子、ヘンシュ貴雄
2020年度 明石康※

学部と大学院の入学式では毎回来賓をお招きして祝辞をいただいています。なかでもこの6年で社会から大きな注目を集めたのは、共感と文化への立ち入りについて率直に語ったキャンベル先生(2018年度学部)、師の言葉を受けて自分だけができることを行うよう語ったヘンシュ先生(2019年度大学院)。そして、合格は自分だけの努力でできたことではないと指摘しながら東大のジェンダーギャップに言及した上野先生でした(2019年度学部)。全文を掲載したウェブページは200万以上ものPV数を記録、大学のホームページが始まって以来最大の反響となりました。

※コロナ禍のため式典は行わずメッセージを録画してウェブ配信。

話題を呼んだ「新聞を読もう」

総長の言葉で最も話題になったのが、就任2年目の学部入学式で述べた「毎日、新聞を読みますか?」でした。見出しだけでなく本文も読もうという内容を新聞各紙が報じてくれました。国内紙だけでなく海外の情報にも触れて視野を広げるよう呼びかける内容でした。

入学式式辞によく使われた言葉

五神総長がこの6年に述べた入学式の式辞(11本約7.25万字)を対象に、登場する言葉の頻度に応じて示したワードクラウドです(「東大」「皆さん」「これ」などは除く)。「学問」や「社会」はもちろん、「人類」や「地球」、「プロフェッショナル」や「基礎」の存在も強く意識されていたことがわかります。

2019年度学部入学式祝辞

上野千鶴子さん

認定NPO法人 ウィメンズ アクションネットワーク理事長

特別寄稿「ノイズから生まれる」

19年の入学式の来賓祝辞に招かれたのは晴天の霹靂だったが、それが巻き起こした反応も想定外だった。わたしの言っていることは昔から変わらない。変わったのは勇気ある選択をなさった東京大学です、と言ってきた。その夏のオープンキャンパスには例年より女子学生の参加が多かったと聞いた。翌年の入試結果は女子学生比率が前年度17.4%に対して20年度19.1%、1.7ポイント増だから祝辞効果はあったのだろうか。とはいえまだ「2割の壁」は越せない。

その後、学内の学生・院生とやりとりする機会が増えた。ある男子学生から「なぜ女子学生を増やさなければならないか、学内で合意ができているとは思えません」という発言を聞いた。海外に出たときに総長が恥をかくからか、国際標準に合わないと「外圧」を受けるからか……内発的な動機がないというのだ。大学は情報生産の場、情報がノイズから生まれるのは情報工学の基本のき。社会学のシステム理論によれば「システムとは情報の縮減装置である」、つまりノイズの発生を抑える効果がある。情報はシステムの内部ではなく、システムの「あいだ」に発生する。だとしたらシステム間の落差が大きいほど情報生産性が高くなるのは当然だろう。女は人口の半分いる。そのノイズをとりこまなくて情報のイノベーションはありえない。ここまで言ってあげなくては理解できないのだろうか、正解ばかりに答えてきた東大生の情報生産性が思いやられる。

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