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情報とスパコンと産学連携の柏IIキャンパス/キャンパス散歩

掲載日:2022年7月19日

キャンパス散歩 第39回

日本陸軍の滑走路だった地に広がる情報とスパコンと産学連携の柏IIキャンパス

大林由尚
情報基盤センター広報担当
https://www.itc.u-tokyo.ac.jp
 
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空からの眺め。手前に柏ロッジ、奥に情報基盤センターとNII柏分館、産学官民連携棟、産総研柏センターの建物が並ぶ。

柏IIキャンパスのある一帯は、戦時中、日本陸軍の飛行場でした。戦後、米軍の通信基地として使われたのちに日本へ返還され、国立、県立の様々な施設が整備されました。柏IIキャンパスは滑走路だったところの中程に位置します。柏の葉キャンパス駅からは千葉大学の敷地を通り抜けて徒歩約12分、駅近の優良物件です。

正門の隣には、インターナショナル・ロッジ柏ロッジがあります。2009年に建てられた施設で、単身用や家族用など全142室があり、留学生や外国人研究者が入居できます。正門からキャンパスに入ると左手に新領域創成科学研究科の生涯スポーツ健康科学研究センターが使っていた建物が見えます。研究用のトレーニング施設がありました。2019年度で閉鎖されました。この辺りには、感染症研究施設の建設計画が進んでいます。

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柏IIキャンパス正門。右に柏ロッジ、奥に情報基盤センターとNII柏分館の合同棟が。
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正門前の道路。飛行場だった当時を彷彿させる広くまっすぐな道が続く。
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左が生涯スポーツ健康科学研究センターのあった建物。右手前は特高変電所の建物。

右手に並ぶ建物のうち、いちばん手前の建物は情報基盤センターと国立情報学研究所(NII)柏分館の合同棟です。2021年3月に竣工し、情報基盤センターが浅野キャンパスから引っ越してきて、NII柏分館とともに、データ駆動型社会に向けた新拠点として活動をはじめました。スパコン室には「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステム Wisteria/BDEC-01や、データ活用社会創成プラットフォームmdxなどが並びます。

次の建物は産学官民連携棟です。2019年3月に竣工し、地域科学実証拠点、インキュベーション施設として、学内外のさまざまな研究室、団体が連携して研究開発を進めています。南側のエリアは生産技術研究所価値創造デザイン推進基盤の区画です。

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情報基盤センターの「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステム Wisteria/BD EC-01。
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データ活用社会創成プラットフォームmdx。手前のストレージは大切なデータを保護するために免震構造となっている。
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産学官民連携棟の階段ホールは吹き抜けの素敵な空間。

一番奥には産業技術総合研究所(産総研)柏センターがあります。2018年11月に竣工しました。東大の構内に国立研究開発法人が拠点を持つ変わった仕組みですが、産学官一体で「人間拡張技術」を推進する拠点として整備されました。ここには、ビッグデータを用いた学習計算が世界最速レベルで可能なスパコンAI橋渡しクラウド(ABCI)があります。2021年6月の世界スパコンランキングでは、理化学研究所「富岳」の世界一に続き、ABCIが12位、Wisteria/BDEC-01のシミュレーションノード群(Odyssey)が13位に輝きました。日本の2位と3位が柏IIキャンパスに集結しているわけです。

長いこと、ロッジとグラウンドくらいしかないと思われていたキャンパスですが、ここ数年で次々と大きな研究拠点が入り、賑やかになりました。目下の悩みは食堂も購買もないことです。インフラがさらに整うことを願っています。

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産学官民連携棟の入り口脇にはしなやかポリマーを利用したコンセプトカーItoPの展示が。
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産総研柏センターのスパコンAI橋渡しクラウド(ABCI)。
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産総研柏センターのサービスフィールドシミュレーター(SFS)は、人間の行動や生体情報を計測しモデル化するVR装置。

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