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液化石油ガスを選択的に検知する超分子センサーの開発研究成果

掲載日:2019年9月13日

官能基を持たない分子を選択的に認識し、さらにその情報を外部へ発信する分子(分子センサー)を開発するための設計戦略は確立されていませんでした。東京大学大学院総合文化研究科の平岡秀一教授らは、学習院大学の研究グループと共同で、液化石油ガス(LPG)を選択的に取り込み、これに伴って蛍光強度が増大する分子センサーを開発しました。この分子センサーは歯車状両親媒性分子が水中で自己集合した箱状の超分子カプセル(ナノキューブ)で、集合化した状態で305 nmの紫外光を照射すると、歯車状両親媒性分子から450 nm付近に蛍光を発しますが、LPGを内包すると、蛍光強度が3.9倍増加することを見出しました。ナノキューブはLPG以外の気体を取り込まないためにLPGに対して高い選択性を示します。また、LPG濃度0.1から100体積%の範囲で、ナノキューブの蛍光強度がLPGの濃度の対数に対して直線的に変化するために、LPGの爆発下限界より低濃度である0.1体積%まで定量可能です。通常、箱状の分子ホストは内部空間が隔離されているため、標的分子の取り込み・放出に時間がかかりますが、ナノキューブでは歯車状両親媒性分子が容易に隙間を作り、標的分子の内外の輸送を容易にするため、LPGの濃度変化に対して素早く応答することができます。今後、分子を噛み合わせて作るカプセル状の集合体が、高感度・高選択性・高応答性を兼ね備えた分子センサーの設計指針となると期待されます。

論文情報

Yi-Yang Zhan, Jingyuan Liao, Mizuho Kajita, Tatsuo Kojima, Satoshi Takahashi, Tomohisa Takaya, Koichi Iwata, and Shuichi Hiraoka*, "Supramolecular fluorescence sensor for liquefied petroleum gas," Communications Chemistry, doi:10.1038/s42004-019-0212-6.

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