PRESS RELEASES

English

印刷

マイクロサイズのシート構造とナノサイズのかご構造の自己集合過程 :どの段階で運命づけられるのか?研究成果

掲載日:2019年11月15日

 分子自己集合は構成要素となる分子が相互作用し、自発的に秩序構造を形成する現象ですが、最終構造体へ至るまでに、どのような中間体を生成し、どのような経路を経て進むのかは、これまでほとんど明らかにされていませんでした。東京大学大学院総合文化研究科の平岡秀一教授らは、東京大学大学院理学系研究科の中村栄一教授のグループおよび京都大学の佐藤啓文教授と共同で、自己集合性錯体の形成において、テンプレートとなる分子の有無により、mmサイズのシート構造とnmサイズのかご構造という構造的に異なる二種類の生成物をそれぞれ選択的に与えることを見出しました。また、自己集合過程を調べることで、どの段階で二種類の構造の形成が決まるのかを明らかにすることにも成功しました。さらに、テンプレートによって形成が促進されるかご構造の形成過程では「速度論的テンプレート効果」と呼ばれる現象により、シート構造の生成を抑制されていることが明らかになりました。
 

論文情報

Leonardo Hayato Foianesi-Takeshige, Satoshi Takahashi, Tomoki Tateishi, Ryosuke Sekine, Atsushi Okazawa, Wenchao Zhu, Tatsuo Kojima, Koji Harano, Eiichi Nakamura, Hirofumi Sato, and Shuichi Hiraoka*, "Bifurcation of self-assembly pathways to sheet or cage controlled by kinetic template effect," Communications Chemistry: 2019年11月13日, doi:10.1038/s42004-019-0232-2.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる