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レヴィ=ストロースの70年来の謎を進化シミュレーションで解明 - 文化人類学の基礎「親族の構造」を数理モデルで生成 - 研究成果

掲載日:2020年1月21日

多くの人間社会において社会関係は血縁関係によって決まっていて、文化的に同一の集団内では近親者でなくともインセスト・タブーによって婚姻が禁じられている。また集団間の婚姻・親子関係の総体を親族構造と呼び、特に二つの集団間で結婚する限定交換、三つ以上の集団間で一方向の女性の流れがある全面交換などが見出された。しかし、それらの多様な親族構造がいかにして生起するかは明らかでなかった。東京大学大学院総合文化研究科の板尾健司大学院生と金子邦彦教授は、計算機上で原始社会のモデルを用いて親族構造の進化を議論した。婚姻が集団間の協力を促しつつ婚姻上のライバルとの競争をもたらすことを考慮し、社会の時間発展のシミュレーションを行った。その結果、文化人類学者たちが発見した婚姻規則や多様な親族構造がパラメータに依存して自発的に生成することを示し、現実の民族誌的知見と対応して親族構造の分布が説明されうることを明らかにした。本研究成果は計算機を用いて人間社会の普遍的な構造を論じ、人類学の理論研究の新たな方法として普遍人類学の展望を示すものである。なお、本研究は新学術領域研究「進化の制約と方向性」(17H06386)のもとで行われた。

論文情報

Kenji Itao, Kunihiko Kaneko*, "Evolution of Kinship Structures Driven by Marriage Tie and Competition," Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America: 2020年1月21日, doi:10.1073/pnas.1917716117.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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