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ニパワクチン開発研究へのCoalition for Epidemic Preparedness Innovations (CEPI)による支援決定記者発表

掲載日:2019年2月26日

Coalition for Epidemic Preparedness Innovations (CEPI)は、重要な感染症を予防するワクチンの開発を支援することを目的として、2017年にダボス会議で先進諸国の合意のもとで設立された革新的な国際的研究開発費支援機関である。このたび東京大学医科学研究所の甲斐教授らが開発した抗ニパウイルスワクチン実用化開発研究に対して、CEPIが総額3100万ドル(約34.4億円)の支援を行うことを決定した。
これは日本から初めてCEPIに採択されたプロジェクトである。

ニパウイルスは1997年にマレーシアで初めて出現し、ヒトに急性脳炎を引き起こして100人以上の死者を出した新種のウイルスである。現在でも主にバングラデシュやインドで発生し、致死率は90%にも及び、ヒトからヒトへも伝播する。自然宿主であるオオコウモリは広く世界に分布し、ブタやイヌなどヒト以外の動物へも感染することから今後他地域へも広がる恐れがあるが、本感染症に対するワクチンおよび治療薬は未だ無い。甲斐教授らはこれまでの研究で、自らが開発したワクチンが高い有効性を示すことを明らかにしてきた。
本プロジェクトにより本ワクチンの開発研究が進められ、ニパウイルス感染症の予防法として確立されれば、発生地域での流行制圧に直接寄与し、さらに致死性ウイルス感染症の脅威に対し世界の人々の安全・安心に資すると期待される。
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