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黄緑色の表紙にピンクのアクセント

書籍名

東大式 生命データサイエンス即戦力講座 ゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームからシングルセルまで、大規模データ解析で論文を書くためのR&Pythonツールボックス

著者名

DSTEP教材作成委員 (編)

判型など

344ページ、AB判

言語

日本語

発行年月日

2021年11月29日

ISBN コード

978-4-7581-2117-0

出版社

羊土社

出版社URL

書籍紹介ページ

学内図書館貸出状況(OPAC)

東大式 生命データサイエンス即戦力講座

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本書は東京大医学大学院新領域研究科が進める生命データサイエンス教育プログラム「DSTEP」(http://dstep.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/) におけるバイオプログラミング演習のコンテンツを書籍化したものである。DSTEPは近年のゲノム解析をはじめとする大規模バイオデータに即応できる人材の育成を、製薬企業、バイオテク企業等と連携して行うことを目的に設立されたものである。実際、該当分野における人材の欠乏は深刻である。
 
初めてのヒトゲノムの完全解読が発表されて20年が経過しようとしている。10年前の次世代シークエンス技術の登場を経て、近年のバイオデータ産生技術の進歩は20年前には想像しなかった速度で進展している。公的/私的なデータベースには何十万人分、何百万人分というヒトゲノムデータがあふれかえる。がんゲノムの精密なシークエンス解析によって検出されたがん原性変異 (ドライバー変異) に依拠して、個々の患者に最適な治療戦略を策定するいわゆる「個別化医療」は実診療として実装、保険収載されるまでになっている。さらに基礎研究の分野ではゲノム解読技術を遺伝子発現解析等の多層オーミクス解析へと転用、さらに近年ではその解析解像は単一細胞 (シングルセル解析) へとまで進化している。さらにこれを発展させる形で、空間情報を保持した形での多層オーミクス解析も行われるようになった。例えばがん細胞における多様ながん進化あるいは免疫細胞との相互作用を解明するために、病理画像データの各スポットでのオーミクス解析が実施されるようになっている。今後もますます大規模データの産生と解析の流れはその速度を増して展開していくと思われる。急速なデータ蓄積を背景にヒトに関する分生生物学的・基礎医学的理解を飛躍的に拡大している。それに呼応する形で、生物学的知見の創出に人工知能を活用しようとする試みも増えている。機械学習の本質が大量に蓄積されたデータの活用にあるのであれば、生物学においても飽和量のデータが大きな転換をもたらす時が来るのかもしれない。少なくともリアルワールドにおいて真にヒトを完全に理解し、さらにはヒトを超える領域まで健康/治療を推進しようとするには、これまでにない規模での生物学的データの産生、その解析の深化は必須の要素である。その未来に向かって実に多くの技術革新が現在も進行中である。ヒトの細胞システムを理解するに足る規模での大規模、精密オーミクス解析が実践されるような未来、本質的な意味での「生命データサイエンスの時代」の到来も迫っているように思う。現在、その黎明期にあって、本書が未来を担う若手研究者への第一歩を後押しするものになれば、と思う。
 

* 本書は新領域研究科が進める生命データサイエンス教育プログラム「DSTEP」におけるバイオプログラミング演習のコンテンツを書籍化したものである。DSTEPのHPはこちら:http://dstep.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/

 

(紹介文執筆者: 新領域創成科学研究科 教授 鈴木 穣 / 2022)

本の目次

第一部 生命データサイエンスの基礎体力づくり
第1章 Unix系環境の準備
第2章 データ解析に向けたUnix系環境の使い方
第3章 Pythonによるデータ解析の基礎
第4章 Pythonによるデータ解析の実践
第5章 R言語によるデータ解析の基礎と実践[1]
第6章 R言語によるデータ解析の実践[2]
第7章 スパコン利用のためのはじめの一歩
 
第二部 生命データサイエンスの実践
第1章 オミクス解析の準備
第2章 ゲノム解析
第3章 トランスクリプトーム解析
第4章 エピゲノム解析
第5章 シングルセル解析[1]
第6章 シングルセル解析[2]
第7章 ロングリード解析

関連情報

関連ホームページ:
東京大医学大学院新領域研究科 生命データサイエンス教育プログラム「DSTEP」
http://dstep.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/
 
鈴木穣研究室
http://suzukilab.cb.k.u-tokyo.ac.jp/
 
書籍紹介:
「分子生物学会で大好評 『東大式 生命データサイエンス即戦力講座』」 (羊土社ウェブサイト 2021年12月9日)
https://www.yodosha.co.jp/topic/20211209.9784758121170.html
 
関連記事:
村上善則・鈴木穰「シリーズ連携研究機構第41回 日本のゲノム研究とその活用を推進」 (『学内広報』No. 1553 2021年12月)
https://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/kouhou/1553/03column.html#%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E9%80%A3%E6%90%BA%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A9%9F%E6%A7%8B

特集「生命データサイエンスセンター」 (『創成』第37号 2021年3月)
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/assets/files/sousei_d/37/html5.html#page=1

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