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書籍名

Modern Asian Studies Review / 新たなアジア研究に向けて, Vol. 17 Special Feature: Historicizing China’s Reform and Opening-Up

著者名

NAKAMURA Motoya

判型など

オンラインジャーナル

言語

英語

発行年月日

2026年3月23日

ISSN コード

1880-7305

出版社

東洋文庫

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Modern Asian Studies Review

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中国で改革開放と呼ばれる時期は、約50年続いている。私たち中国研究者は、この改革開放期の中国を、どのように研究すべきなのだろうか。
 
近年の主要な英語と日本語の研究成果に基づけば、改革開放史研究の意義は次のようにまとめられる。すなわち、文化大革命で混迷を深めていた中国を現在のような大国へと押し上げていったエネルギーは改革開放政策によって生み出されたのであり、だからこそ、改革開放期の変革の過程を知ることが現在の中国を深く理解する上で極めて重要である、と。
 
その際に、欧米諸国と日本の中国研究者は、とりわけ次の二点に大きな関心を払っている。
 
一点目は、中国とソ連の異同を特定することである。ソ連は1990年前後に大きな体制変動を経験したのに対して、中国はなぜそうならなかったのか。
 
二点目は、改革開放が天安門事件 (1989年) 後の鄧小平の南巡講話 (1992年) によって実質的にスタートし、それ以前の時期を改革開放初期とみなす立場から、この萌芽期に出現した政治的寛容性や社会的多様性が1990年代以降の中国政治や中国社会に対してどのような影響を及ぼしたのかを解明することである。現在の権力基盤の強化へと繋がる人的ないしは制度的な起源は存在したのだろうか。
 
とはいえ、欧米諸国と日本の改革開放史研究の動向は、完全に一致しているわけではない。欧米諸国の研究の特徴は、日本と比較した場合、中ソの比較研究が充実していることである。日本の中国研究者は、この点の自らの劣位を素直に認めなければならない。他方で、日本の研究の特徴は、欧米諸国と比較した場合、改革開放期の中国を中国近現代史のなかに位置づけようとしていることである。日本の歴史学者と政治学者は、中国近現代史の何が改革開放史の背後で作用しているのかを協働して特定しようとしている。
 
むろん、欧米諸国にも日本にも、共通して不足していることがある。
 
第一に、文革から現在への転換点となった改革開放萌芽期を、ソ連のみならず旧東欧諸国とも比較しながら、そして中国 (中華人民共和国) よりも先に経済と社会を発展させた台湾 (中華民国) の視点を含めながら、20世紀全体を覆った近代化 (現代化) および民主化というグローバルな潮流――近代をめぐる様々な反発も含む――のなかに位置づけ直そうとする研究視角である。第二に、改革開放萌芽期に現れた様々な現象を普遍性と固有性という枠組みのなかで再考しようとする研究意欲である。第三に、これらの研究視角と研究意欲を下支えする、いわば改革開放萌芽期の政治の実態を実証的に解明しようとする研究方法である。
 
本特集に収録された各論文は、これら三つの課題のいずれかについて、新たな知見を世界の中国研究者に提供するものである。末尾に付した政治学者・ヨーロッパ研究者との座談会の記録も、今後の改革開放史研究を前進させる上で大いに役立つだろう。本特集が、世界の改革開放史研究をさらに発展させる一つの起爆剤になることを願っている。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科・教養学部 教授 中村 元哉 / 2026)

本の目次

Modern Asian Studies Review / 新たなアジア研究に向けて, Vol. 17
 
Nakamura, Motoya
Background
Reform and Opening-Up in the Context of Modern and Contemporary Chinese History
 
Kaneko, Hajime
The Development and Transformation of the Parliamentary System: in Modern and Contemporary China (1900s-1980s)
 
Kamo, Tomoki
Continuity and Discontinuity in Reform: CCP Proposals for Social Consultation and Dialogue and for Consultative Democracy
 
Yoshimi, Takashi
The Political and Judicial Exploration in China during the Budding Period of Reform and Opening-Up
 
Kawai, Reika
Political reform during the 1980s: Hu Yaobang's Perspective
 
Yokoyama, Yuta
Hungary and Poland as Models for China's Political and Economic System Reforms in the 1980: From the Perspective of the Future International Relations Scholar, Wang Yizhou
 
Higo, Haruka
Scientification of Decision-Making: Knowledge that Supported an Enduring Political Reform
 
Ienaga, Masaki
The Issue of Multi-Party System in Discourses on National Unification in Early Reform-Era China
Amiya, Ryosuke and Nakada, Mizuho
 
Roundtable
 

関連情報

中村元哉研究室ホームページ
https://dragon-china99.org/index.html

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