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「三浦真珠プロジェクト」養殖真珠浜揚げ 臨海実験所で技術管理してきた真珠を初めて収穫

掲載日:2019年1月11日

東京大学三崎臨海実験所(神奈川県三浦市)の一室。二人の技術スタッフがアコヤガイを一つ一つ開く間、集まった人々は息を殺していましたが、小さく丸い真珠が貝の中から姿を現すと、一斉に歓声が沸き起こりました。

2019年1月9日、「三浦真珠プロジェクト」に関わる研究者とスタッフは、臨海実験所で技術管理して養殖してきたアコヤガイを初めて浜揚げしました。東京湾に面した海から吊り上げられた網の一つから、24個のアコヤガイを取り出し、10数個の真珠を収穫。2018年7月に技術職員がアコヤガイに2個ずつ真珠の核を挿入する「核入れ」作業を行った成果です。

臨海実験所の前所長で2013年から三浦真珠プロジェクトを主導している赤坂甲治理学系研究科名誉教授は、「美しい真珠を収穫することができて、安堵しました」とコメントしました。

三崎臨海実験所そばの桟橋から海中に吊るされたアコヤガイを引き上げる技術職員。 © 2019 東京大学

三浦市と真珠メーカーミキモトの協力を得て進められてきた三浦真珠プロジェクトは、地域の活性化と地元生徒への海洋教育の普及を目的としています。

「技術職員の皆さんにご尽力いただき感謝しています。また、神奈川県立海洋科学高等学校の教員・生徒の皆さんが授業の一環として、アコヤガイの世話をしてくださっていることも大きな要因です」と赤坂先生は話します。

海洋科学高校の生徒はこれまで臨海実験所を訪れ、貝の掃除を行ってきました。7月に実験所で高校の先生が約20個のアコヤガイに挿核を行っていますが、それらの貝は後日、授業の一環で生徒たち自身による浜揚げが行われる予定です。

実は真珠養殖と歴史的な関わりを持つ東大。1886年に設立され、世界で最も古い海洋生物の研究施設の一つである理学系研究科附属臨海実験所は、約100年前に世界で初めて真円真珠養殖技術を開発し、現在の真珠産業の基礎を築くのに貢献したという過去があります。その技術を、現在は世界的な宝飾メーカーであるミキモトの創業者、御木本幸吉氏が活用しました。

赤坂先生は今後、プロジェクトをより一層発展させたいと意気込みます。  

「今年は使えるアコヤガイの数に限りがありましたが、来年はもっと多くの真珠を収穫できると期待しています。昨年の夏に生まれたアコヤガイが約5000個体あります。アコヤガイと真珠の量産ができる体制を整えます」。

海洋科学高等学校に加え、最近、神奈川県立横須賀工業高等学校がプロジェクトに参画。貝殻を用いた螺鈿細工に取り組んでいます。

「(真珠製品を)東京大学コミュニケーションセンターで販売して、真珠養殖技術発祥の地であることを発信して参りたいと思います」。

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真珠養殖は、アコヤガイが外部からの侵入物を真珠層の分泌によって防御するという性質を利用して行われる。© 2019 東京大学
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浜揚げした真珠を手に安堵した表情の赤坂甲治名誉教授 © 2019 東京大学
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臨海実験所の技術職員で真珠の養殖に関わってきた幸塚久典さんと川端美千代さん © 2019 東京大学

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