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三重県と締結した連携協定 |  総長室だより~思いを伝える生声コラム~第18回

掲載日:2019年1月31日

東京大学第30代総長 五神 真

三重県と締結した連携協定


  昨年11月23日、三重県四日市市で行われた東京大学と三重県との連携協定締結式に参加し、あわせて行われた記念シンポジウムで講演を行いました。東大では松原宏先生が機構長を務める地域未来社会連携研究機構がすでに三重県と連携して研究活動を始めていましたが、都道府県との組織間連携としては初となる今回の協定は、連携をより本格的に全学で進めていきたいという思いの表れです。

 国土の広くない日本において、東京に一極集中するのは極めて不合理です。日本のリソースを存分に活用し、よりよい未来社会に向けた行動を起こすには、地域社会との連携が不可欠です。こうした考えのもと、東大は、東日本大震災後の復興支援をはじめ、様々な取り組みを行ってきました。一昨年4月からはフィールドスタディ型政策協働プログラムを始めています。学生が地方自治の現場に入り込みながら地域の課題を学び、その解決に貢献すべく奔走するという取組みです。14の県にパートナーとして多大なご協力をいただいており、三重県もそのパートナーの一つです。

 三重県には、一次、二次、三次産業にわたる幅広い産業が根付いています。水産業、農業、畜産業、林業、自動車産業、石油化学産業、半導体産業、そして熊野古道や伊勢神宮のような歴史ある名所を中心とした観光業……。それぞれの分野において課題があり、解決への道筋を総合的に検討する場として最適なのが三重県なのです。三重県は、2016年の伊勢志摩サミットで、伝統を守りながら新しい価値を作ることを世界に訴えた象徴的な場でもあります。自然を守り、伝統的なものを維持しながら高い競争力を持つ産業を生み出してきた姿は、まさにSDGsのビジョンに合致するものでした。

 つまり、三重県は私たちが目指すべき「Society 5.0」のモデルを示すためのコラボレーション相手として最適というのが今回の提携の理由です。鈴木英敬知事が秀でた発想力と実行力により、リーダーシップを発揮されている自治体であることも重要な要素でした。鈴木知事は本学経済学部出身の、若き「知のプロフェッショナル」のお一人です。その実行力で三重県がゲームチェンジを率先すれば、全国の他の地域にも伝播していくと期待しています。三重県が有する様々な資源や課題を本学の知と結びつけ、ものづくりのポテンシャルをうまく活用し、地域が一体となってスマート化することでSociety 5.0を先取りするような成果を得られるはずです。さらにこれを全国に普及させ、日本全体をインクルーシブに使うことにつなげられるよう、連携をさらに深めていきたいと考えています。

 

 

「学内広報」1518号(2019年1月25日)掲載
 

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