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無月経などの健康問題をケアして女性アスリートに最高のプレーを|能瀬さやか|オリパラと東大。

掲載日:2020年5月26日

オリンピック・パラリンピックと東大。
~スポーツの祭典にまつわる研究・教育とレガシー
半世紀超の時を経て再び東京で行われるオリンピック・パラリンピックには、ホームを同じくする東京大学も少なからず関わっています。世界のスポーツ祭典における東京大学の貢献を知れば、オリパラのロゴの青はしだいに淡青色に見えてくる!?
無月経などの健康問題をケアして

女性アスリートに最高のプレーを

能瀬さやか
医学部附属病院 女性診療科・産科
NOSE Sayaka

 

2017年のジャパンパラ水泳競技大会で会場の辰巳国際水泳場に設置された女性アスリート相談窓口にて

利用可能エネルギー不足、無月経、骨粗しょう症という女性アスリートが抱える「三主徴」について日本で最初に大規模な調査を行い支援を行ってきたのは、医学部附属病院の能瀬さやか医師です。

父親の職業でもある産婦人科医と、スポーツとを繋ぐ仕事に興味を持ち、2006年、東大医学部の産婦人科学教室に入局。当時、日本でアスリートを診る産婦人科医は皆無に等しく、スポーツ関係の学会や団体に顔を出して仕事の幅を広げました。

転機は、2012年の国立スポーツ科学センター(JISS)の内科医就任。約700名の女子選手のうち、約4割が月経不順や無月経状態であることを明らかにしました。「三主徴」は体重が軽い方が有利とされる陸上の長距離種目、体重一階級制競技、また審美系と呼ばれる新体操や体操で特にリスクが高まります。

2017年の東大復帰後は、国立病院で初の「女性アスリート外来」を開設し、日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員長としても活動。競技生活の長いパラスポーツでは、不妊治療や更年期障害にも対応が必要です。

いま能瀬先生が気になっているのは、中学校・高校の部活。10代の陸上長距離選手の中には、減量指示を受けて1日10回以上も体重計に乗ったり食事量を減らしたりした結果、摂食障害を発症するケースもあるとか。部活の現場には男性指導者が多く、女性選手が相談しづらいため、養護教諭や公認スポーツ栄養士との連携に力を入れています。

産婦人科学教室が2018年に発行した『Health Management for Female Athletes Ver.3 -女性アスリートのための月経対策ハンドブック-』。パラ選手の調査も踏まえています
http://femaleathletes.jp/book/HMFA3/

「女性は、10代で無月経や低体重があると20歳頃に骨量がピークまで行かず、一生骨量が低いまま経過し、疲労骨折のリスクが高まります。手遅れになる前にサポートできる体制を作りたいです」

 

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