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ランチのサブスク・サービスで売上減に悩む本郷の飲食店を応援|前田将太さん|コロナ禍と東大。

掲載日:2020年11月3日

コロナ禍と東大。
活動制限下の取組みから見えてくる新時代の大学の姿とは?
2020年。新型コロナウイルス感染症の影響で、東京大学の活動は想定していたものから大きく様変わりしました。本特集では、このおよそ半年間に東京大学の現場で行われてきた取組みの数々を記録し、ウィズコロナ時代の大学の活動とは何かを考えるきっかけを提供します。

ランチのサブスク・サービスで売上減に悩む本郷の飲食店を応援

前田将太さん顔写真
前田将太さん MAEDA Shota
法学政治学研究科修士課程1年 株式会社LeadX代表取締役

月額1万3200円を払えば加盟店のランチメニューを毎日でも楽しめるサブスク・サービス「Gocci」。この事業を本郷で展開しているのが、4人の東大生が2月に立ち上げたベンチャー企業、LeadXです。学部時代はラクロス部の練習に明け暮れたという前田さんが代表取締役。コロナ禍による売上減に悩む地元の飲食店をなくしたくないという思いが、弁護士志望だったミッドフィルダーを動かしました。

「本郷の80店を回り、21店舗からご賛同いただきました。5月末まで事前購入で9900円としたところ、目標を上回る185件の購入があり、加盟店に8万円ずつ分配しました。今回、手数料は取っていません」

そもそもは、ラクロス部引退後の生活に物足りなさを感じ、二人の同期と出かけた卒業旅行先で「何かやろうか」と話したのが発端でした。修士課程進学後に参加した大学のプログラム「アントレプレナー道場」で起業家たちの話に大きな刺激を受け、ビジネスコンテストで見事準優勝を獲得。ただ、最初からGocciを構想していたのではありません。

観光地を360度カメラで撮って紹介するアプリを考えていました。バンで青森から山口まで渡り歩き、2週間で2000枚の写真を撮影したんです。でも本格事業には育ちませんでした」

自治体や企業との業務には法人化が必要と痛感した4人は、休学してLeadXを設立。まず身近なところに目を向けようと、東大生250人にアンケートを実施し、見えてきたのがランチの需要でした。学食だけでなく街の飲食店でも食べたいという人が多かったのです。

「学生の多くはお気に入りの数店しか行かずに卒業していくんですが、それでは学生と街の両方にとってもったいない。そこをつなぐことが我々の仕事になると思いました」

Gocci加盟店の居酒屋「羅針盤」の高山朋子さんからは「今度は夜の活性化を考えてくれない?」と言葉をかけられた前田さん。サブスク・サービスを広げるのか、知らなかった良店との出会いを促進するのか、それとも別のXを選ぶのか。いずれにせよ、LeadXと本郷は互いを応援する気持ちで結びついているようです。

Gocci画像
Gocciでは、一つの店を利用できるのは月4回まで。サービスサイトでその時々利用可能な店を案内し、利用者をまだ行ったことのない店へも誘います
店内画像
「ほかの情報サイトと違って店側の持ち出しがないのがいいの」と語る高山さんのお店「羅針盤」は本郷三丁目交番の真裏です

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