東京大学教員の著作を著者自らが語る広場

人々と町の絵がグラフィカルに描かれた黄色の表紙

書籍名

自分にあわせてまちを変えてみる力 韓国・台湾のまちづくり

著者名

饗庭 伸、秋田 典子、内田 奈芳美、 後藤 智香子、 鄭 一止、薬袋 奈美子

判型など

156ページ、A4判変型、並製

言語

日本語

発行年月日

2016年3月

ISBN コード

978-489491-308-0

出版社

萌文社

出版社URL

書籍紹介ページ

学内図書館貸出状況(OPAC)

自分にあわせてまちを変えてみる力

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誰にも「自分にあわせてまちを変えてみる力」が備わっていて、「自分にあわせて」「まちを変えてみる」ことが、社会を動かす原動力になる。韓国と台湾の、小さくとも「自分」を主体にしたまちづくりの取り組みについて考察した本である。
 
著者らは、日本のまちづくりと韓国や台湾のまちづくりがお互いにどのように影響を及ぼしあっているのか知りたいと思い、2006年から現地を訪ね歩いた。本書はそこで見つけたこと、地元の人から伺ったお話を中心にまとめられている。
 
第1章は、「アジアの地図をやわらかい頭で見てみよう」、「隣りの国を見に行こう」、「少しズレた世界から学ぼう」、「『自分にあわせてまちを変えてみる力』を信じてまちづくりを進めよう」、「身のまわりの環境の小さな民主化を進めよう」、の6つの「やってみよう」という言葉を通じて、韓国や台湾、日本のまちづくりを学ぶ意味や方法を考察する。
 
第2章は、著者らが韓国と台湾を巡るなかで見つけた「自分にあわせてまちを変えてみる力」を25のカタログにまとめている。網羅的な百科事典ではなく、あくまでも著者らが見つけたものをカタログにしている。内容は次の通りである。
 
 テーマ1: まちのカスタマイズ
   ・都市の「手づくり」デザイン
   ・小さな公共交通
   ・ギャラリー商店街
   ・壁にこだわる
   ・一時的な都市のすき間で
 
 テーマ2: まち・社区・マウル
   ・そのままゲーテッドコミュニティ
   ・引越し好き社会のコミュニティ
   ・学びから始まる健康づくり
   ・屋台のおばちゃんを助ける商店街
   ・健康コミュニティ
   ・情熱のPR作戦
 
 テーマ3: 生活と人生のデザイン
   ・マダンどこでもパーティー
   ・自分の手で家を直そう!
   ・若者たちのたくましい選択
   ・地域に幹を立てる
   ・自分のためにお店をつくる
 
 テーマ4: 由緒と名物
   ・地域の由来を掘り起こす
   ・何でも資源に
   ・観光資源になったカエル
   ・まちづくり土産をつくろう
   ・工芸品で美意識向上
 
 テーマ5: 環をつくる
   ・地域で何を見つけるか
   ・あらゆる手段で環境を守る
   ・里山保全によりつながるまちづくり
   ・小さな緑の養子縁組
 
第3章は、4人の専門家 (石川初さん、加藤文俊さん、青井哲人さん、山代悟さん) とのダイアローグを通じて、「自分にあわせてまちを変えてみる力」の意味を相対化して考察する。
 
第4章は、3つの国のマウル・マンドゥルギ、社区総体営造、まちづくりの歴史の比較である。「自分にあわせてまちを変えてみる力」が各国の歴史のなかでどのように生かされてきたのか、育まれてきたのか、考察する。
 

(紹介文執筆者: 工学系研究科 特任助教 後藤 智香子 / 2018)

本の目次

第1章 自分にあわせてまちを変えてみる力
第2章 デザインカタログ
第3章 「自分にあわせてまちを変えてみる力」をめぐるダイアローグ
第4章 マウル・マンドゥルギ、社区総体営造、そして日本のまちづくりの歴史
 

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