
書籍名
つくって学ぶアクティブラーニング
判型など
168ページ、A5判
言語
日本語
発行年月日
2025年3月3日
ISBN コード
978-4-13-053201-3
出版社
東京大学出版会
出版社URL
学内図書館貸出状況(OPAC)
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授業で、「つくる」活動をしたことはありますか。本書は、「つくること」を学習活動として行う授業に焦点を当てています。とくに、本書で取り上げるのは、何かを「つくる」ときに、学生が頭を働かせ、その結果、学習内容への理解を深めることを目指す授業です。「つくること」そのものを目的とするのではなく、学習目標に到達するための方法として「つくること」を採用している授業です。本書では、「つくって学ぶ授業」と呼んでいます。
東京大学では、アクティブラーニングに関する取り組みを20年近く行ってきました。アクティブラーニングでは、ディスカッション、プレゼンテーション、ロールプレイなどが行われることが多いです。どの手法も授業の学習目標に到達するために選択されます。また、学習目標に到達するための手段は多種多様です。本書は、「つくること」で学習目標に到達するプロセスを提示しています。学生の皆さんにとっては、自分が受けた授業がどのような目的で設計されているのかを知ることができたり、自分が教育・学習プログラムを提供する時の手がかりを得ることができたりするでしょう。
本書は、「第1部:理論」と「第2部:事例」の2部構成です。第1章「つくって学ぶアクティブラーニングのデザイン」(第1部:理論) では、アクティブラーニングが必要な背景や「つくって学ぶ授業」に関連する教育学の理論や手法が記されています。また、第2部の事例を読み解くために「つくって学ぶ授業」の特徴や授業構成の枠組みを説明しています。第1章を読んでから第2部の事例に目を通すことで、事例ごとの特色や工夫を理解しやすくなります。
「第2部:事例」では、「教材をつくる」(第2章~第6章)、「授業をつくる」(第7章~第8章)、「ワークショップをつくる」(第9章) の事例が紹介されています。各事例で、何を誰に向けて何のためにつくるのか、どのようにつくるのか、つくって学ぶことの効果・利点が述べられています。学生が一人でつくる授業もあればグループでつくる授業もありますし、成果物がデジタル媒体の授業もあれば紙媒体、定まった形がない授業もあります。バラエティに富む事例の詳細が書かれているので、比較を楽しみながら読むことができます。
さらに、「第2部:事例」の第10章「座談会『つくって学ぶアクティブラーニング』のデザイン原則」では、事例の執筆者らが「つくって学ぶ授業」の利点だけでなく、悩みや課題を赤裸々に語り合います。ここで挙げられる悩みや課題は、「つくって学ぶ授業」だけでなく、アクティブラーニング全般に共通するものばかりです。教員が授業を実施するときにどんな困難を抱えて対処しているのか、普段見ることができない一面を知ることができます。「つくって学ぶ授業」は、アクティブラーニングの手法の一つにすぎません。しかし、事例を通してわかる特性や利点、悩みや課題は、どのような授業を行う際にも参考になるものです。教育関係者の方々だけでなく、授業を受ける側の学生の皆さんにも読んでいただき、「どのような授業であればよりよく学べるのか」について一緒に考えていけるとよいのではと思います。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科・教養学部 特任准教授 中澤 明子 / 2025)
本の目次
1. 東京大学におけるアクティブラーニングの推進
2. 本書の目的と構成
第1章 つくって学ぶアクティブラーニングのデザイン(中澤明子)
はじめに
1. 複雑化する社会への対応と教育の変化
2. つくって学ぶ授業
おわりに
第2章 教材をつくるI――論文執筆ゼミナールにおけるルーブリック作成の事例(中村長史:総合文化研究科特任講師)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの利点と留意点
おわりに
第3章 教材をつくるII――シリアスゲームデザインの事例(標葉靖子:実践女子大学人間社会学部准教授)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの効果・利点
おわりに
第4章 教材をつくるIII:オープン教材――デジタルリテラシーを学ぶための教材制作(重田勝介:北海道大学情報基盤センター教授)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの効果・利点
おわりに
第5章 教材をつくるIV――オープンエデュケーションについて学べる教材制作の事例(中澤明子)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの効果・利点
おわりに
第6章 教材をつくるV――国際紛争ケースブックの事例(中村長史)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの利点と留意点
おわりに
第7章 授業をつくるI――SDGsを学べる授業案設計の事例(中村長史、中澤明子)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの効果・利点
おわりに
第8章 授業をつくるII――反転授業制作の事例(福山佑樹:関西学院大学教務機構ライティングセンター教授)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの効果・利点
おわりに
第9章 ワークショップをつくる(町支大祐:帝京大学教職研究科専任講師)
はじめに
1. 何を誰に向けて何のためにつくるのか
2. どのようにつくるのか
3. つくって学ぶことの効果・利点
おわりに
第10章 座談会 「つくって学ぶアクティブラーニング」のデザイン原則(中澤明子、中村長史、標葉靖子、重田勝介、福山佑樹、町支大祐)
はじめに
1. つくることの位置づけとつくる理論・方法の学習
2. グループ分けの方法とインプットの重要性
3. フィードバックの方法
4. フィードバックの難しさ
5. 制作物の適切な分量とフィードバックの受け止め方
6. つくって学ぶ授業の利点
7. つくって学ぶ授業の難しさ
8. つくって学ぶ授業をする教員へのメッセージ
おわりに(若杉桂輔、中澤明子、中村長史)
関連情報
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/
ALニュースレター
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/newsletter/
冊子: +15 minutes
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/publication/?p=5149
冊子: +15 minutes 実践編
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/publication/?p=5157
冊子: オンラインでもアクティブラーニング
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/publication/?p=5161
駒場アクティブラーニングスタジオ (KALS)
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/kals/
「オープン教材」をつくろう!
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/open-educational-resources/
国際紛争ケースブックをつくろう
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/international-conflict-casebook/
書評:
<本の棚> 原 和之 評 (『教養学部報』664号 2025年6月2日)
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/664/open/664-2-01.html
講演・ワークショップ:
ワークショップ 第5回東大生がつくるSDGsの授業 開催報告 (東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 EX部門 2025年3月23日)
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/event/?p=5808
駒場アクティブラーニングワークショップ「アクティブラーニングの試行錯誤~つくって学ぶ授業を事例にして考える」 (東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 EX部門 2025年3月19日)
https://komex-ex.c.u-tokyo.ac.jp/ja/event/?p=5525

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