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白い表紙にコンパスと人々の暮らしのイラスト

書籍名

天変地異のオープンサイエンス みんなでつくる科学のカタチ

著者名

矢守 克也 (編著)

判型など

244ページ、四六判

言語

日本語

発行年月日

2025年4月4日

ISBN コード

9784788518797

出版社

新曜社

出版社URL

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学内図書館貸出状況(OPAC)

天変地異のオープンサイエンス

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本書は、編著者である矢守克也さんが研究代表者であった科学研究費補助金挑戦的研究 (開拓)「天変地異のオープンサイエンス」(JSPS科研費JP18H05319/JP20K20338) の成果である。研究開始当初から、書物としてまとめることを目標とし、参加者それぞれの研究や実践、それらに関する議論のため、何度も研究会が開催された。その場所は、本書第5章、第6章の舞台でもある京都大学阿武山観測所であり、また、COVID-19のパンデミックをはさんだため、オンラインも活用していた。研究参加者 (本書の著者) たちは、研究分野も、アプローチもさまざまで、また、キャラクターもまちまちで、私はこの研究会 (+懇親会) に参加するのをいつも楽しみにしていた。
 
私が担当した第8章では、「みんなで翻刻」を紹介した。これは、歴史資料・古典籍の翻刻を目的とした市民参加型プラットフォームである。2017年のプロジェクト公開時には地震研究所所蔵の和古書類500点を目指した。2019年3月までに解読が完了し、同年7月のシステム更新では、デジタルアーカイブの画像共有の国際標準規格IIIFに対応することで他機関との連携が容易になり、地震に関連する史料だけでなく、分野を問わない幅広い歴史資料の解読ができるようになった。またAIベースの文字認識機能などを搭載した。2025年8月には再度システムを更新し、ユーザーが自由に翻刻対象資料を登録することができるようになった。合わせてAIによる翻刻支援機能も強化している。プロジェクトの参加登録者数はのべ1万1千人を数え、入力文字数は600万字を越えた。
 
矢守さんからは、上記のような取り組みの内容だけでなく、そこで生じる参加者や運営者である私たちの感想や思いも伝えるよう促された。
 
みんなで翻刻」は、歴史災害分野におけるオープンサイエンス、なかでもオープンコラボレーション (市民参加型) の取り組みとして注目を受けてきた。私はプロジェクト当初から運営・開発に関わってきたが、オープンサイエンスについて学校で習ったわけでもなく、開発・運営メンバーのひとりである橋本雄太さん (国立歴史民俗博物館) がオープンサイエンスの潮流を意識してシステム開発をしていくのをみながら、見よう見まねでオープンサイエンス的なものをつくってきた。その経験は、防災・減災の取り組みにも活かせるだろうと思っていた。
 
このようなぼんやりした思いを研究会で話したところ、災害研究や科学技術社会論の観点から、さまざまにコメントをいただき、「みんなで翻刻」がどのような存在であるのかを再認識する機会となった。それは本書の第1章や第10章でも言及されている。
 
本書が、オープンサイエンスや、その考えを取りいれた防災・減災の実践や研究のきっかけになればうれしく思う。
 

(紹介文執筆者: 地震研究所 准教授 加納 靖之 / 2026)

本の目次

はじめに――オープンサイエンスの二つの潮流  矢守克也
 
第1章 オープンサイエンスの諸相
 ――天変地異をめぐるオープンサイエンスのカタチ  八木絵香・矢守克也
 
  第I部 天変編
 
第2章 市民との共創から生まれる災害情報
 ――災害情報による新たな災害文化の形成  竹之内健介
 
第3章 社会と共創する気象ビジネス
 ――サイエンスによるカスタマイゼーション  本間基寛
 
第4章 気候変動問題とオープンサイエンス
 ――市民とともにつくる政策にむけて  八木絵香
 
  第II部 地異編
 
第5章 サイエンスミュージアムに変身した地震観測所
 ――市民ボランティアの活躍  矢守克也
 
第6章 満点計画における地域の方々との協働
 ――一般市民が地震観測を行う  飯尾能久
 
第7章 市民・学校・行政・研究者の協働によって実現する津波防災実践
 ――メキシコの事例  中野元太
 
第8章 「みんなで翻刻」
 ――古文書解読が明かす歴史地震  加納靖之
 
  第III部 共生社会編
 
第9章 共生構築の倫理と技法
 ――多様性によるイノベーション  稲場圭信
 
第10章 デモクラシーを支えるツール
 ――あまねくすべての人に  矢守克也
 

関連情報

書籍紹介:
【新刊紹介】「天変地異のオープンサイエンス みんなでつくる科学のカタチ」 (京都大学防災研究所 | note 2025年10月10日)
https://note.com/dpri_kyotouniv/n/n686b63c0e98e
 
矢守克也教授編著「天変地異のオープンサイエンス-みんなでつくる科学のカタチ-」が刊行されました (京都大学防災研究所ホームページ 2025年5月9日)
https://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/news/23221/
 
【第238回】【新刊】矢守克也「天変地異のオープンサイエンスーみんなでつくる科学のカタチ」新曜社 (地区防災計画学会 | note 2025年4月11日)
https://note.com/chikubousai/n/ncc1a5247aba5
 
書評:
小野英理 (京都大学学術情報メディアセンター) 評「書評・新刊紹介」 (『情報の科学と技術』76巻1号p.41 2026年1月1日)
https://doi.org/10.18919/jkg.76.1_41
 
関連ページ:
みんなで翻刻 / MINNA DE HONKOKU
https://honkoku.org/
 

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