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白い表紙に水色の三角モチーフ

書籍名

成長資金供給とイノベーションの政策学

判型など

232ページ、A5判

言語

日本語

発行年月日

2025年7月3日

ISBN コード

978-4-502-54601-3

出版社

中央経済社

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成長資金供給とイノベーションの政策学

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本書は、東京大学で2024年度に行われた講義「資本市場と公共政策」の内容をまとめたものです。この講義は、みずほ証券株式会社による寄付講座の一環として、公共政策大学院および大学院法学政治学研究科 (総合法政専攻・法曹養成専攻) の大学院生を対象に、現実の政策課題への理解を深めてもらうことを目的として、毎年度秋学期に開講されています。
 
2024年度秋学期は、「成長資金供給とイノベーション」をテーマに選定し、成長資金供給やスタートアップの育成に関する最新の政策的な取組みの状況や、成長資金供給の実際の実務の状況を取り上げて、ゲストスピーカーをお招きしながらオムニバス形式で講義を行いました。
 
成長資金は、スタートアップなどの企業が成長していくために必要となるリスクテイクやイノベーション創出の源泉となるものです。近年、成長資金供給を促進するための様々な政策的な取組みが順次進められており、それらの施策の効果もあり、日本におけるスタートアップへの資金供給額は増加傾向にありますが、諸外国の状況に比べるとまだまだ不十分であると指摘されています。
 
この講義の開講前後にも、成長資金供給やスタートアップ育成に関する様々な政策的取組みが企画・実行されており、講義ではそれらの施策に実際に関与した各官庁の担当者にゲスト講師としてお話をしていただきました。講義に参加した学生には、政策課題が同じであっても、官庁ごとに分析する角度が異なり、問題の捉え方や施策の観点に相違があることが伝わったものと考えています。
 
また、成長資金の受け手・出し手・仲介者・アドバイザーといった多様な立場の実務家も講師として参加し、実際の経験に基づいたお話や、最新の実務動向に関する講義が展開されました。資金調達の現実の実務において、関係当事者が何を考えて活動を行っているのか、その一端を垣間見せることができたものと思います。
 
そして、この講義では、毎年、講師の話の後に学生との質疑応答があり、学生から鋭い質問が投げかけられ、講師から示唆に富む回答が示されます。2024年度の講義においても例年どおり活発な質疑応答が行われました。
 
このような講義の内容を本学の教室内だけにとどめておくのはあまりに惜しいと考え、読者の皆様と広く共有することができるよう、講義録として本書を出版することを企画した次第です。講師による講話だけでなく、紙幅の関係で一部ではありますが、実際の講義の際に学生と講師の間で交わされた質疑応答についても所収されています。
 
成長資金供給やスタートアップの育成に関する研究、政策実施あるいは実務対応にあたり、本書が読者の皆様の参考となれば幸いです。
 

(紹介文執筆者: 公共政策大学院 客員教授 有吉 尚哉 / 2026)

本の目次

(役職は講義時点)

序章 「貯蓄から投資へ」と成長資金供給・イノベーション(東京大学公共政策大学院特任教授 守屋 貴之)
 
1 「貯蓄から投資へ」のねらい
2 イノベーションの重要性
3 イノベーション推進に向けた課題
4 成長資金の供給不足の要因
 
第1章 成長資金供給のあり方に関する視点(東京大学公共政策大学院客員教授/西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士 有吉 尚哉)
 
1 成長資金供給の重要性
2 成長資金の供給先
3 資金供給側の類型と課題
4 非上場株式のセカンダリー市場と成長資金供給
 
第2章 スタートアップの創出・育成に向けた取組(経済産業省イノベーション・環境局イノベーション創出新事業推進課スタートアップ推進室長 富原 早夏)
 
1 スタートアップ政策の位置づけ
2 経済産業省の主なスタートアップ政策
3 スタートアップの現状と課題
4 スタートアップ・ファイナンス研究会における議論
5 おわりに
 
第3章 事業性融資の推進(金融庁監督局地域金融企画参事官 和田 良隆)
1 金融庁の主なスタートアップ政策
2 地域金融機関をめぐる経済環境
3 地域金融機関による顧客の課題解決支援
4 事業性融資推進法の概要
5 企業価値担保権の概要
 
第4章 SBIR制度とイノベーション創出(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局イノベーション推進担当企画官 宇田川 徹)
 
1 スタートアップ政策とSBIR制度の関係
2 SBIR制度の概要と意義
3 SBIR制度の大規模技術実証支援
 
第5章 成長資金供給の課題と実践(みずほ証券株式会社イノベーション企業戦略部長 沖島 章浩)
 
1 企業の成長資金調達
2 国内スタートアップの現状
3 海外との比較で見た国内スタートアップ
4 既存事業をめぐる課題と対応
5 現状の課題と目指すべき方向性
6 おわりに
 
第6章 上場会社の企業価値向上に向けた取引所の取組―資本コストや株価を意識した経営とグロース市場の機能発揮(株式会社東京証券取引所上場部企画グループ統括課長 池田 直隆)
 
1 市場区分の見直しと基本的な考え方
2 資本コストや株価を意識した経営の推進
3 最近のマーケット関連のトピック
4 グロース市場の機能発揮に向けた対応
 
第7章 創業観点から見た「成長資金」(株式会社マネーフォワード執行役員グループCoPAサステナビリティ担当/Fintech研究所長 瀧 俊雄)
 
1 はじめに
2 マネーフォワードの資金調達の実際
3 マネーフォワードの上場と日本の上場会社の課題
 
第8章 ベンチャーキャピタルと成長資金供給(東京大学協創プラットフォーム開発株式会社マネージングパートナー 古川 尚史)
 
1 はじめに
2 3つの仕事の内容
3 なぜスタートアップ政策が必要なのか
 
第9章 フィンテックと成長資金供給(ファンズ株式会社取締役CLO/弁護士 髙尾 知達)
 
1 はじめに
2 戦後金融の担い手と産業金融モデル
3 金融機能のアンバンドリング化とフィンテックの登場
4 オンラインレンディングプラットフォーム“Funds”
5 おわりに
 
第10章 DAOの仕組みと法律(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士 本柳 祐介)
 
1 DAOの基本
2 DAOと法律
3 DAOの法形式の選択
4 トークンと法律
5 おわりに
 

関連情報

寄付講座「資本市場と公共政策」(東京大学公共政策大学院)
http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/CMPP/index.html

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