Tell The World: 研究成果のアウトリーチに様々なリソースを活用しましょう!

実施日: 2017年01月25日 |
広報戦略本部主催のイベントTell The Worldが2017年1月25日に開催されました。研究の国際的なアウトリーチとサイエンスコミュニケーションを主要テーマとした本イベントでは、この分野で活躍する4人の多彩な講師が登壇し、実践的なアドバイスや成功例を交えながら広報のコツを披露しました。イベントに参加した約60名の東大の学生、研究者、広報関係職員は、効果的なアウトリーチ手法を学ぼうと講師の話に熱心に耳を傾けていました。また、このイベントの模様はウェブコメンテーターとして参加した理化学研究所のアマンダ・アルバレズさんによって、#scicommを使ってツィッター上でライブ中継(ライブツィート)されました。 ![]() 参加者は講師の話に熱心に耳を傾けながらメモを取っていました 講師と参加者が自由に交流するコーヒーブレイクをはさんで、3番目に登壇した国連大学広報部主席広報専門員ダン・パウエルさんは、研究成果をよりわかりやすいストーリーとして一般の人に伝えることができれば、世界の政策決定者に影響を与えることも可能だと訴えました。パウエルさんによると「データがものをいう科学の世界では、物語を紡ぐストーリー手法はストーリー性を重視するあまり客観性を欠く手法だと思われがちだが、読者の関心をよぶためにはストーリーが必要」だそうです。難しい研究でも「repackaging (再包装)」して明瞭簡潔でわかりやすいストーリーを提供できればより広い読者層に届けることができるので、世論を動かすことも可能になります。ストーリー化するときには、「起承転結(and, but, therefore)」を使うと、自転車のアクロバット走行のように、読者の関心を引くことができるそうです。 最後に登壇した宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所の准教授エリザベス・タスカーさんは、北大教員時代に大学広報雑誌のためにいろいろな研究者にインタビューをした経験を踏まえ、話すのがあまり得意でない研究者には「とにかく質問攻めして話を聞きだすこと」と実用的アドバイスを交えながら、アウトリーチの極意について話しました。タスカーさんはさらに、自らをスターウォーズの反乱同盟軍に例えながら、間違った情報に基づいて研究成果を誤って伝えたメディアと戦いながら、メディアが情報を修正することに貢献した話を面白おかしく披露しました。 質疑応答では参加者から英語と日本語という言語のバリアの克服法、記事のアイデアを提案するタイミング、どこまで情報を開示したらいいのかなどの様々な質問が投げかけられました。それに対して4人の講師が共通してアドバイスしていたのは、研究仲間や投稿先の編集者と信頼関係を築くのが大切だという点でした。編集者は心強いパートナーになるし、使用するデータや画像に問題がないようにするためには研究仲間とのコミュニケーションが欠かせません。こうしたアドバイスを念頭に、あなたもThe Conversation、Our World、UTokyo Researchなど様々なリソースを利用して、アウトリーチ活動をはじめてみませんか? *本イベントは東大TVで配信される予定です。 ![]() より広い読者層にアウトリーチすることで世論に影響を与えることができると話すパウエルさん
![]() 参加者からの質問に答えるラッタンさんとブラジアックさん
![]() コーヒーブレイクでラッタンさんや参加者と歓談するタスカーさん
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