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高齢化に対応した社会デザインを考える

掲載日:2019年8月19日

このシリーズでは、未来社会協創推進本部(FSI)で「登録プロジェクト」として登録されている、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する学内の研究活動を紹介していきます。

FSIプロジェクト 021

「BABAME BASE」の周囲に広がる自然。

新領域創成科学研究科の「サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム(GPSS-GLI)」は、社会の持続可能性を研究し、その成果を社会に還元するために設けられた専攻横断的なプログラム。コーディネーターをつとめる味埜俊教授のもと、このプログラムを主導する工藤尚悟助教は、自身が生まれ育った秋田県の社会デザインに取り組んでいます。

「社会の縮小が進む日本のなかで、秋田県はもっとも人口減少率と高齢化率の高い地域なんです。そんな地元に貢献したいという気持ちはもちろんありましたが、社会の変化によって起こる課題を全国のどの地域より先に経験しているという点で、研究対象として興味深いと感じました」と故郷についての思いを語る工藤先生。2016年に設立したアキタエイジラボは、その活動の第一歩でした。

秋田県南秋田郡五城目(ごじょうめ)町にある廃校となった小学校を改修したシェアオフィス「BABAME BASE」に地域のお坊さんと住民を呼んで行ったワークショップでは、過疎高齢化が進む地域でお寺をどのように活用していくかが話し合われました。その結果、お寺のスペースがヨガスタジオや健康サロンとして活用されるアイデアが出されたほか、単親家庭や引きこもりの子どもを対象にしたフリースクールとして活用するプロジェクトがはじまりました。

五城目町では、1960年代のピーク時の2万人から人口が半減し、学校の統廃合が検討されています。そんな中、高校生たちと郷土の歴史や今後の社会のあり方について議論するソーシャル・ラボの活動も行われています。

「若者が都市へと流入することが秋田県の人口減少の主要因ですが、若者が都市に移動するということを社会現象としてとらえ、ローカルがローカルなまま持続していける社会のあり方を模索しています」と工藤先生は語ります。

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2013年に閉校した馬場目小学校の校舎を改修してできたシェアオフィス『BABAME BASE』。
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地域のお坊さんと住民を呼んで行ったワークショップの様子。
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五城目町の高校生を対象に行ったワークショップ。最初は戸惑っていた高校生も、議論が進むうちに活発に発言するようになった。

このプロジェクトが貢献するSDGs

住み続けられるまちづくりを質の高い教育をみんなに働きがいも経済成長も

味埜俊 教授、工藤尚悟 助教 | 新領域創成科学研究科

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