刊行物「FUTURE SOCIETY INITIATIVE」

FUTURE SOCIETY INITIATIVE 未来社会協創推進本部 : Society 5.0 と 東京大学

Introduction

この冊子では、すべての人にとって良い未来を実現するため、東京大学で行われている取組の一部を取り上げています。2017年に設立された未来社会協創推進本部(FSI)では、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する研究プロジェクトを登録しています。FSIでは、分野の壁を越えて、自然な相乗効果が見込めるプロジェクト間の協働を進めることを目指しています。

国連が2015年に設定した17のSDGsは、2030年までに全人類にとってより平等で公平な社会を作るためのガイドラインです。SDGsは、飢餓・貧困、医療・福祉、クリーンなエネルギ-、クリーンな水資源、イノベーション、そして平和など、幅広い分野の課題を掲げています。SDGsが示す高遠な目標を達成するには、極めて多くの課題が残されています。しかしSDGsは、こうした未来の実現を目指しつつも現在大学でばらばらに行われている活動を連携させるための一つの枠組みであると東京大学では考えています。

あらゆる人が進歩の成果を享受する平等な社会の実現に異議を唱える人はほとんどいないでしょう。日本では、このような社会を「Society 5.0」と呼んでいます。これは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く5番目の社会です。Society 5.0は、情報・通信技術とAIとビッグデータが融合することによって実現する知識集約型の社会です。Society 5.0は、距離や能力、国境や言語といった障壁を取り払い、すべての人々が自らの希望をかなえつつ社会に参画する未来を示しています。

科学技術だけではすべての課題は解決できません。どの課題に取り組むか、そしてどのような未来を構築するかを考えていく上で人文学と社会科学は欠かせません。多様な視点を踏まえて考える必要があります。日本は課題先進国としてこれから全世界が直面する課題の多くをすでに経験しています。必要な解決策を導き出すために、世界中から多様な意見や経験を聞き、共に行動しなければなりません。

Society 5.0が示す未来を実現するための東京大学とFSIの取組について、この冊子を読んでインスピレーションを得ていただければ幸いです。

Contents

東京大学で行われている未来社会協創推進本部(FSI)の登録プロジェクトのうち注目すべき研究のいくつかにスポットを当てます。
公衆衛生はFSI登録プロジェクトの大きな部分を占めています。世界中でこの分野に積極的に取り組んでいる研究者たちに迫ります。
また、都市化が進むアフリカの人々の食事、海底に眠るレアアース資源、デジタル時代の人文学など、東大の研究の幅の広さを示すプロジェクトを6つ選び、紹介します。

FEATURE

研究室を出て、フィールドへ : 世界の人々をもっと健康に

PROJECTS

重要なのは、あなたが誰であるかということ : ライフスタイル認証で生活をもっと便利に、安全に
きれいな未来のための泥まみれの仕事 : 海底のレアアース
食事が変わると世界も変わる : 都市化の進むアフリカの栄養パターンの変化
アスレチックな脳 : けがに適応する脳と体
海流を電流に変える : 海底をタービンの森に
デジタル・ヒューマニティーズ : デジタル技術を駆使して新たな人文学を切り開く

広報戦略本部発行

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