連携研究機構

2016年4月より、既存の組織の枠を超えた学の融合による新たな学問分野の創造を促進するため、複数の部局等が一定期間連携して研究を行う組織(連携研究機構)の設置が可能となった。

マテリアルイノベーション研究センター

マテリアルを起点とするイノベーションは、新規材料の創製からデバイスの実用化にいたる道のりが長く、一般に産業化が困難である。本連携研究機構では、独創的な研究成果を有するとともに社会実装に向けて広い視野を有する教職員が参画し、民間企業・国立研究開発法人などとの連携によって産業化を目指した研究開発を最速で実現する手法をとる。「知の協創の世界拠点」にふさわしい産学官民協働の卓越した研究拠点を形成して、そこでの活動を通じて、マテリアルイノベーション・エコシステムに資する新たな視点のマテリアル科学技術研究分野を創造する。本学発の新材料や物質機能の学術成果をベースに価値創造を実現するプラットフォームを構築し、世界市場を目指した起業を促進する。

次世代知能科学研究センター

次世代知能科学研究センター(Next Generation Artificial Intelligence Research Center)、略してAIセンター(AI Center)は、現状の人工知能技術の枠組みとその限界を超え、真に人間のためになり、将来の社会、産業、経済、文化、学術を駆動する新たな次世代知能科学体系の構築と応用、それを踏まえた将来社会ビジョンの提示と実現、および先進的な教育体系の構築と先端人材育成を目指し、東京大学の多様な分野が文理を越えて融合し総合力を発揮する連携研究機構として活動している。

生物普遍性連携研究機構

生物普遍性連携研究機構は、あらゆる生物に共通する普遺的な法則とメカニズムを解明することを目的に、理学系研究科と総合文化研究科が中心となり、2016年12月に設立された。2021年からは,これら研究科に加え医学・薬学・工学・情報理工学研究科および生産研における数理・定量・合成・情報生物学の研究者が連携し、世界を先導する新分野の創設と数理・物理を用いて生物を俯瞰することのできる若手人材の育成を行っている。

光量子科学連携研究機構

光量子科学連携研究機構では、理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構、工学系研究科附属光量子科学研究センター、物性研究所附属極限コヒーレント光科学研究センターとの連携体制を構築し、光科学、レーザー物理等の分野での学理を追求するとともに、医学、生物学、薬学などの他分野の研究者と協働して、新しい光科学の開拓を進める。また、それらの成果を、国内外の産学連携活動を活用した技術として社会に提供することを目指している。さらに、このような研究分野、研究環境、国際連携という多様性に富んだ活動の場を生かし、若手研究者の育成に資する取り組みを実践している。

数理・情報教育研究センター

数理・情報教育研究センターは、「数理」と「情報」を縦糸に、「応用展開」を横糸にして、数理的手法、データサイエンス及び情報技術の総合的な教育基盤を整備することを目的としている。本センターは、2022年度政府予算に盛り込まれた「数理・データサイエンス・AI教育の全国展開の推進」事業の東京大学における実施主体となるものである。また、国公私立大学等からなるコンソーシアムの拠点校として、大学、産業界、研究機関等と幅広くネットワークを形成し、地域や分野における先進的教育モデルの拠点として実践的な教育の普及に努めている。

ライフサイエンス連携研究教育拠点

時間展開する生命システムの原理解明を目指すバイオエボリューション研究の世界的な教育研究拠点構築を目的に設立。次の3つの柱に沿って研究事業を展開する。(1)バイオエボリューションの原理解明─生命システムの時間発展の基盤原理を解明。(2)新技術によるバイオエボリューション解析─新しい動的システム解析技術による研究推進。(3)バイオエボリューションの破綻・疾患究明─新しい疾患概念の創出と予防治療法開発に基づく社会貢献。これらの研究を通じ、動的システムである生命原理とその破綻の解明を目指す世界的研究拠点を形成しつつ、高度な知のプロフェッショナル人材を育成する。

臨床生命医工学連携研究機構

臨床生命医工学連携研究機構は、本学におけるこれまでの医工連携研究分野の優れた取り組みを基盤とし、将来の医療の進むべき方向を見据え「さらなる医療・個別ケアシステムの高度化と簡易化につながる新素材の創製及び各種医工学要素技術ならびにシステム化技術の先鋭化」と「臨床開発・社会実装手法の体系化」のために、部局や専攻の壁を超え医工の研究者がアンダーワンルーフに集う部局連携機構である。個別工学要素技術と高度な臨床医学研究の融合と社会実装のための産学連携研究を通じて、健康長寿社会の実現に貢献する医療システムの実現を目指している。

地震火山史料連携研究機構

地震・火山現象の科学的解明とそれらによる災害の軽減を設置目的とする地震研究所と、日本史史料に関する蒐集・研究・編纂を設置目的とする史料編纂所が連携して2017年に設置され、2024年に再設置された連携研究機構である。地震学・火山学の研究者と日本史学の研究者との連携により、近代以前に発生した地震火山に関する史料の収集・分析をさらに深めるとともに、各分野の新展開も踏まえた文理融合の新たな研究手法を高度化し、データベースの公開や研究広報および教育を通じて成果を社会に還元する。長期間の地震・火山活動の履歴の解明は、将来の地震・火山噴火の発生予測のための重要な基礎データとなり、地震・火山防災への貢献が期待される。

ヒューマニティーズセンター

2017年(平成29年)7月1日より、法学政治学研究科、人文社会系研究科、総合文化研究科、教育学研究科、情報学環、東洋文化研究所、史料編纂所、附属図書館の8部局による連携研究機構として発足し、2022年7月に再設置された「ヒューマニティーズセンター(Humanities Center: HMC)」は、人文学及び隣接諸分野における卓越した研究者による部局横断的な新たな研究協創のプラットフォームを目指している。2020年度より、研究支援人材(URA)による研究支援・連携構想を推進するヒューマニティーズリエゾンを設置し、地域や社会との協働も視野に入れて、さらに活動を展開している。

次世代ニュートリノ科学・マルチメッセンジャー天文学連携研究機構

平成29年10月1日に次世代ニュートリノ科学連携研究機構(英語名:Next-generation Neutrino Science Organization, NNSO)として発足。本学の宇宙線研究所、カブリ数物連携宇宙研究機構および大学院理学系研究科の3つの機関が参加。平成31年2月には地震研究所が新たに加わり、4機関の構成となった。ニュートリノ研究や実験技術開発を通し、ニュートリノ研究分野の未来を開拓する役割を担い、特に基幹設備となる「ハイパーカミオカンデ検出器」の建設を推進。令和5年10月1日には、「次世代ニュートリノ科学・マルチメッセンジャー天文学連携研究機構(英語名 : Next-generation Neutrino Science and Multi-messenger Astronomy Organization)」へと改組され、ガンマ線を含む電磁波、宇宙線、ニュートリノ、重力波などの観測を連携し、理論・データサイエンス研究との協力を進め、次世代のマルチメッセンジャー天文学を推進することが本機構の目的に加えられた。

ワンヘルス・ワンワールド連携研究機構

ワンヘルス・ワンワールド連携研究機構は、2004年のマンハッタン宣言による「One World, One Health」の考え方に基づいて、生産技術研究所、医学系研究科、農学生命科学研究科、新領域創成科学研究科、情報理工学系研究科、医科学研究所、未来ビジョン研究センターが連携して2021年より活動を開始した。具体的には、ヒトと動物の健康とそれらを取り巻く地球環境を一つの学問領域として統括的に科学する新たな学術研究拠点を形成すること、アジアにおける当該研究の拠点として関連する情報の集約や発信をすること、当該研究分野にて国内外で活躍する人材を育成すること、を目指している。

感染症連携研究機構

感染症連携研究機構は、医科学研究所を主軸とし、医学系研究科、薬学系研究科、農学生命科学研究科、理学系研究科、工学系研究科、新領域創成科学研究科、生産技術研究所、総合文化研究科、定量生命科学研究所、新世代感染症センターと連携することにより、革新的な予防法・診断法・治療法の開発と次世代の感染症研究を牽引する人材育成を実施し、また国内外の感染症発生状況を収集・分析し、正確な情報を社会へ向けて発信する。さらに研究資源、技術基盤、人材を横断的に融合する連携研究を推進し、新興・再興感染症を制圧することを目標とする。

バーチャルリアリティ教育研究センター

本センターは、東京大学のバーチャルリアリティ(VR)研究の拠点化のために本学複数部局に分散する先端的VR 研究のハブとして機能するとともに、センターに3部門(基盤研究部門、応用展開部門、社会連携研究部門)をおき、VR の基礎課題、応用課題の研究開発、それらの社会展開を行う。VR の先端的基盤技術の開発と支援、VR の応用技術およびコンテンツ開発の支援、メタバースの実践的な利活用への取り組み、学外・産業との連携を進め、 VR を担う人材の育成を行う。さらに、企業との協賛事業であるメタバースラウンジを始動させ、発展セミナー、公募プロジェクト、コンペティション、シンポジウム、プロトタイピングなどのプログラムを進めている。

微生物科学イノベーション連携研究機構

微生物科学イノベーション連携研究機構は、微生物科学に関連する多様な分野の研究者を結集した日本初の統合型微生物研究拠点である。「もの作り」、「環境・エネルギー」、「農業生産・生態系」ならびにそれらを横断しサポートする「基礎・基盤技術」の4つの分野において最先端の革新的微生物科学研究を展開するとともに、分野を超えた新たな学術的価値を創造する。また、産官学の連携の下、知の社会実装に向けた応用研究を加速させ、新産業の創出を目指し、当該分野における次世代の学術的・産業的発展を担う国際的イノベーション人材を養成・輩出する。

地域未来社会連携研究機構

地域未来社会連携研究機構は、地域の課題解決に関わる東大内の11の部局が連携し、統合したプラットフォームを構築することで、研究・地域連携・人材育成の3局面で相乗効果を発揮することを目的としている。駒場Iキャンパスの10号館4階の事務局を中心に、本郷、柏キャンパス、三重と北陸のサテライト拠点をつなぎ、研究と教育を展開している。自然環境学、地理学、都市工学、農学、経済学、社会学、空間情報学など、多様な分野の研究者によるフィールドワークの成果と、GIS(地理情報システム)によるビックデータの解析やマッピング等を統合して、新たな「地域の知」を構築し、地域社会の未来を展望することを目指している。

モビリティ・イノベーション連携研究機構

モビリティ・イノベーション連携研究機構(UTmobI)は、自動運転を中心とした革新的なモビリティ研究の最先端かつ総合的な研究組織を目指して、生産技術研究所、新領域創成科学研究科、空間情報科学研究センター、法学政治学研究科、工学系研究科、情報理工学系研究科、先端科学技術研究センター、未来ビジョン研究センターの8部局が連携して基礎研究を推進すると共に、柏地区で自動運転バスの営業運行実証実験に取り組むなど、学の連携・融合によるモビリティ・イノベーションに資する知の体系化と産官学連携による地域社会実装を推進している。また、データインフォームド都市・交通学社会連携研究部門を新たに2024年度から開始した。

国際ミュオグラフィ連携研究機構

国際ミュオグラフィ連携研究機構は、地震研究所、医学部附属病院、工学系研究科、理学系研究科、総合研究博物館が連携することで、東京大学が世界に先駆けて実証した火山内部の透視イメージング技術(ミュオグラフィ)を発展させ、地震火山噴火予知、放射線診断治療、新たな地下・宇宙資源探査、大型建造物や文化遺産の非破壊調査などへの活用を目指した次世代透視技術の開発並びにその成果の社会発信を進めている。本機構では産学官民の連携を進め、ミュオグラフィ技術シーズを還元することで社会の期待に応えることを目指している。

価値創造デザイン人材育成研究機構

現代文明が複雑さを増す中で、科学力と文化力を背景に、人間的な視点にたって新たな価値を創造する、制度、システム、製品、サービスなどのデザインのできる人材が求められている。本機構は、本郷,柏,駒場という三キャンパスに所在する、文理にわたる多様な分野を包含する研究科・研究所等が参画した横断的な体制と、重厚・多様な環境により、人材育成メソドロジーの研究・開発→実践試行→フィードバックというプロセスを繰り返しながら、価値創造デザイン人材を育成するためのメソドロジーを構築することをめざす。

情報セキュリティ教育研究センター

情報セキュリティ教育研究センターは、社会的に大きな課題となっているサイバーセキュリティの問題に対応すべく、2019年2月1日より活動している。本センターは、実学としてのシステムセキュリティと学問としてのセキュリティ基盤技術を包括的に研究することで、現在のセキュリティ技術の枠組みを超えた新たな情報セキュリティ技術体系を構築するとともに、先進的かつ実践的な情報セキュリティ教育体系の整備と次世代を担う人材育成を目指している。

芸術創造連携研究機構

芸術創造連携研究機構は、「アートで知性を拡張し、社会の未来をひらく」を掲げ、芸術創造に関連する多様な分野の研究者が連携して、芸術家との協働・連携も行いながら、芸術創造に関する分野融合型の研究を推進する。同時に、芸術的感性の養成を通して多様な価値観や創造的な発想力を持つ人材を育成する。本機構は、総合文化研究科を責任部局として、医学系研究科、教育学研究科、工学系研究科、情報学環・学際情報学府、人文社会系研究科、数理科学研究科の7部局が連携する。

生命倫理連携研究機構

新たな生命倫理に関する学知を生み出し、発信し、社会からの要請に対応できる連携機構とすることを目指しています。先端科学技術の発展により出現する生命倫理に関する難問に応えるため、多部局から構成される連携教員が参加して発足しました。(1)研究部門、(2)教育部門、(3)国際連携部門、(4)社会連携部門、(5)情報センター部門を置くことにより、生命倫理に関する国内外の学知を集め、緊密な連携を行い、広く生命倫理の研究・教育・社会連携に取り組み、新たな人材を育成していきます。

インクルーシブ工学連携研究機構

現代の人類が直面する数々の社会課題解決には、各学術領域が垂直・水平的に連携、融合した新たなコラボレーションが不可欠である。インクルーシブ工学連携研究機構(RIISE)は、工学系研究科、経済学研究科、新領域創成科学研究科、情報理工学系研究科、情報学環、生産技術研究所、先端科学技術研究センターからなる連携研究機構として組織され、インクルーシブ(包摂的)な社会を実現するために、領域横断的な研究チームを組成することで、民間企業等との社会連携を通じた未来ビジョンの実現のための教育・研究に取り組む。

宇宙理工学連携研究機構

宇宙理工学連携研究機構は、惑星科学、天文学、宇宙工学などに跨る学際領域分野の研究者が、平成29年に設置された理学系研究科附属宇宙惑星科学機構と工学系研究科、新領域創成科学研究科の連携のもとで、大学レベルの超小型惑星探査などを推進することを目的とする。また惑星探査に加えて地上望遠鏡観測も有機的に結びつけ、世界をリードする新たな学問分野の創出を目指す。さらに宇宙理工学の若手人材育成を行い、産学連携やベンチャーの創生につなげることも目標とする。

エドテック連携研究機構

本機構が目指す人材育成理念は、本学で修学する学部生・大学院生、更に社会人から子供までを広く対象として、多くの人に対して、高水準な内容の学習機会を等しく提供することです。そのために、AIやIoT、データサイエンスなどの情報学分野における先端的技術を最大限利活用し、個人の適性や学習の進捗に応じた、高品質な教育・学習環境が、いつでもどこでも誰でも得られることを実現します。これによって、本学における教育の品質を格段に向上させ、本学の卓越性の更なる向上に寄与するだけでなく、我が国の教育や人材育成の質向上にも貢献します。

マイクロ・ナノ多機能デバイス連携研究機構

IoT,AIの時代到来を受け、これらを幅広く社会に根付かせるためには、マイクロ・ナノ技術と高度情報技術との連携・融合が鍵となる。世界トップの技術優位性を維持しつつ、社会実装を果たすために、本連携研究機構では、マイクロ・ナノ多機能デバイスの関連科学および実用工学の学理体系化、多機能デバイスの先端試作・開発機能と、高度情報処理技術に関する教育機能、高度情報処理技術と多機能デバイスとの融合研究および社会実装設計を推進する体制を整え、これらを強力に推し進める。

トランススケール量子科学国際連携研究機構

トランススケール量子科学国際連携研究機構は、物性科学と素粒子、宇宙論、量子情報、数学とのコラボレーションによる階層を超えた量子科学の最先端研究を推進することで、その成果をいち早く取り入れた量子技術の基礎開発を行うことを目的として、理学系研究科・物性研究所・カブリ数物連携宇宙研究機構・低温科学研究センターが中心となって設立した横断的研究プラットフォームである。世界を先導する海外機関との人材交流・連携を推進し、また、産学連携活動を活用することで、未来社会に還元できる量子科学・技術の創成とその専門人材の育成を目指している。

知能社会創造研究センター

情報系産業が主要産業化し、既存の多くの産業においても情報技術による変革が起こりつつある中、知能社会創造研究センターは、「society5.0」、「インクルーシブな社会」の実現を牽引すべく、全ての教育部局が連携して2020年2月1日に発足した。本センターは、あらゆる学術分野と情報学との融合により新分野を創出し、最先端の情報学に基づいて新たな価値を生み出す研究を醸成することを目的としている。また、全学展開する国際卓越大学院プログラム「知能社会国際卓越大学院」に実践的フィールドを提供し、卓越した若手人材育成の場としても機能するものである。

海洋アライアンス連携研究機構

海洋アライアンス連携研究機構は、海に関わる研究・教育の部局横断的なネットワーク組織として、我が国が目指す「SDGs実施指針」の優先8分野の1つである「生物多様性、森林、海洋等の環境保全」を中心に現代的課題の発掘とその解決に必要な基礎科学・応用科学の探究を行う。その一方、学際的な海洋問題に即応できる高度海洋人材の育成に取り組むとともに、シンクタンクの役割を果たすことによって一般社会への情報発信と社会貢献を図り、海洋関連分野における研究・教育の国際的な核を形成することを目的とする。

構造生命科学連携研究機構

構造生命科学研究機構では、原子レベルの分子構造から、細胞、組織、臓器までも含むクロススケールの「構造」を観察する手法により、様々な生命現象のしくみを、原子レベルから臓器レベルまでをシームレスに理解する事を目的とする。医・理・薬・定量研の構造生命科学に関係する最先端の研究室が参加し、クライオ電子顕微鏡、超解像光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡法(SEM)を利用したアレイトモグラフィー法などを統合的に運用し、国際的に卓越した研究拠点とするとともに、優れた研究人材を養成・輩出することを目指している。

高齢社会総合研究機構

Gerontology(ジェロントロジー)すなわち「個(個人のエイジング:加齢)」と「地域社会」の両面から諸問題の解決に取り組むために、学際的・総合的・実践的な知の体系【総合知】を創成し、分野横断型の課題解決型実証研究(アクションリサーチ)によって新たな知識と技術を地域社会に還元/実装する研究機構。少子高齢化を基盤とする超高齢社会に対して、新たな地域社会の在り方をエビデンスベースの政策提言も行う。また、地域連携・産官学民協働・国際連携にも重きを置き、その卓越性のある総合知から変革を駆動できるジェロントロジー研究拠点として、「地域活力のある、及び多様性のある超高齢社会の実現」に向けて国内外に発信することを目指す。

デジタル空間社会連携研究機構

デジタル空間社会連携研究機構では18部局が連携し、IoTデバイスからのデータなどの多様でダイナミックなリアルタイム時空間ビッグデータを一元的に集約し、これらを統合した形で人々や企業の活動、交通・物流・商流から都市の拡大・環境変化、社会経済システムの変質・変動までを包含するデジタル社会空間をデータ基盤の上に構築すると共に学内関連分野の研究者を有機的に連携しつつ、データ駆動型の技術・サイエンスにより深化し、リアルタイム時空間データ解析・応用の新たな学理を構築する。同時に研究成果のデータ駆動型産業への展開と国際的な社会課題の解決支援につなげることを目指している。

不動産イノベーション研究センター

不動産イノベーション研究センターは、経済学研究科、工学系研究科、総合文化研究科、情報理工学系研究科、公共政策学連携研究部、空間情報科学研究センター、未来ビジョン研究センターが連携して、2020年4月に発足した。当センターでは、不動産を中心とした分野横断的な学術研究を推進している。特に、産学官が連携して、既存の学問領域を超えた構造変化先取り型、課題解決型の新たな不動産研究を構築し、不動産政策の推進に資する研究を行うことを理念とする。AI・IoT など新技術の進展と不動産の関係性の解析・理論構築、空間情報や画像認識による不動産情報分析の高度化、多様なサービス・環境整備の展開と郊外住宅地におけるエリア価値の向上などに関する研究活動を通じ、不動産を核とした政策の展開による打開を図るべき喫緊の課題の解決をめざす。

スポーツ先端科学連携研究機構

スポーツ先端科学連携研究機構(University of Tokyo Sports Science Initiative, UTSSI)はスポーツ・健康科学に関連した分野横断的な研究を推進し、国内外の大学・研究機関との連携拠点の役割を果たすとともに、その学術成果を学生の教育や社会に還元することを目的としている。現在、学内16部局の研究者が参画し、東京大学の強みである学術領域の多様性を生かした連携研究を展開している。それらは、新たな学理の創出と共に、諸種社会的課題の解決に資する社会実装をめざしている。

災害・復興知連携研究機構

本研究機構は、東京大学の総力を結集し、複数部局で進められている災害・防災・復興の研究を結集・統合し,横断的・中長期的な視点で、学理の探究、実学の構築の両面から、防災に関する連携研究、教育プログラム構築研究、研究交流をオール東大として主導する。領域や対象を限定しないオールハザードアプローチを前提とした災害・防災・復興の研究を実施し、克服すべき課題を抽出・整理し、それを乗り越えるための災害知・防災知・復興知の体系化を試み、系統的教育プログラムの構築、教育体系に関する制度設計研究、研究人材育成の基盤構築を目指す。現在、関東大震災と首都直下地震、東日本大震災と福島復興に関する研究などを連携して実施している。

放射線科学連携研究機構

放射線科学連携研究機構は、放射線関連領域の研究者が連携協力する体制を構築し、卓越した放射線科学を推進することにより、分野横断的な若手の交流ならびに放射線関連分野の人材育成に貢献することを目的としている。合同シンポジウムの開催による情報共有や交流促進、学内外共同研究の推進、放射線教育プログラムの開発と実施、若手人材の育成、国内外への情報発信、産学官共同研究等の推進を目指して行く。本機構は、アイソトープ総合センターを責任部局として、工学系研究科、理学系研究科、農学生命科学研究科、薬学系研究科、情報学環・学際情報学府、総合研究博物館の7部局からなる。

学際融合マイクロシステム国際連携研究機構

ナノバイオ、μTAS、シリコンニューロン、IoT、エナジーハーベスタ等のマイクロ・ナノ学際分野における国際共同研究成果を活用して、他の先進国より一足先に我が国が経験する高齢化・人口減社会の諸問題に対する身体的・精神的・文化的な効用Quality of Lifeを最大化する分野横断的研究に取り組んでゆく。生産技術研究所がフランス国立科学研究センター(CNRS)との共同研究として1995年以降にわたって運営してきた日仏国際共同研究センター LIMMS(Laboratory for Integrated Micro Mechatronic Systems)を機構の母体とし、医学系研究科、工学系研究科、新領域創成科学研究科、情報理工学系研究科、物性研究所、先端科学技術研究センター、総合文化研究科の参画で、部局の壁を越えて学内の知を総合的に投入する。

心の多様性と適応の連携研究機構

現代社会は、情報技術とグローバル化により大きな変化を経験している。その中で、多くの人々が適応的に生きること、幸福に生きることに困難を感じている。私たちは、本学の多部局にわたる心と行動に関する研究者を糾合し、心の多様性と適応に関する研究を推進する。本連携機構には、神経細胞、局所回路、脳機能、個体関係、社会ネットワークの各レベルとそれらを接続する数理モデルの研究者が所属している。この体制により、心の健康社会の実現に向けた努力を進め、分野融合的な若手研究者を育成し、本機構を心の研究の国際拠点に位置付ける。

次世代サイバーインフラ連携研究機構

サイバー空間を現実世界(フィジカル空間)と一体化させる知識集約型社会のバックボーンとして中核的な役割を担う5G/Beyond5Gをはじめとする次世代サイバーインフラ実現のための連携研究に取り組む。多様な観点から本学の総合知を活かし、技術の研究開発だけではなく、カーボンニュートラル・グリーンリカバリーなどの地球環境へ配慮、誰も取り残すことのない包摂性と高度な倫理と技術の社会受容性・合意形成の考慮を含む横断的アプローチで次世代サイバーインフラの構築を加速し我が国の国際連携・産学官民連携を牽引するフラッグシップとなる組織を目指す。

次世代都市国際連携研究機構

次世代都市国際連携研究機構は、これまで都市社会が内包し、COVID-19によって全世界規模で顕著となった分断や格差の課題解決を通して、次世代の「インクルーシブ都市」の実現を目指し、文理融合(8部局)の体制による新たな知の体系化に挑戦する。危機を乗り越えてきた都市の歴史的観察や、社会空間のデザインに最先端技術の活用を図りながらインクルーシブ都市ビジョンを描き、国内外の各都市の課題を自治体、企業や市民とともに解決する協働活動から新たな知を産み出す実践型研究や学生を含めたスタジオ型教育を国際的に展開する。

統合ゲノム医科学情報連携研究機構

統合ゲノム医科学情報連携研究機構は、東京大学に集積している卓越したゲノム科学、医科学、情報科学等の研究者を結集し、関連部局等が連携、協力を図ることにより、発展著しいゲノム・オーミクス解析技術と情報解析技術とが生み出す革新的なゲノム医科学情報研究を推進し、新たな学理体系を構築するとともに、その成果をゲノム医療として実装し社会へ還元し、同時に、人材育成、社会連携を図る教育研究組織として、広く社会に貢献することを目的とする。特に、ゲノム科学・医科学と情報科学との融合による学際的領域の創成と優れた若手人材育成を図る。

エネルギー総合学連携研究機構

エネルギー総合学連携研究機構は、エネルギーの生産、輸送から変換、利用に至るまでのトータルエネルギーシステムを網羅し、エネルギー関連技術の研究開発から、エネルギー政策、制度の設計に至るまでの広範な分野に関する分析、総合化を行う。これらを通じて安心安全で豊かな社会を支える環境負荷の低いエネルギーシステムの実現に貢献し、エネルギー問題に関する社会からの強い要請に応え、安心安全で豊かなカーボンニュートラル社会を実現する課題解決法を開発・実装する。また、文理融合の新たな学理を創成すると共に、学部横断型教育プログラムであるエネルギー総合学教育プログラムを開設して人材育成を図る。

シンクロトロン放射光連携研究機構

シンクロトロン放射光連携研究機構は、X線・軟X線領域の要素技術を結集し、卓越した放射光源の性能を最大限活かして物質科学・生命科学を牽引するとともに、学術が産学協創を主導し、学の融合を触媒する循環型の学理構築を志向して、物性研究所、工学系研究科、新領域創成科学研究科、生産技術研究所、定量生命科学研究所、先端科学技術研究センターの連携を核にして新しい放射光利用の拠点となることを目指している。また最先端計測技術を開拓する環境の中で、幅広い視野で放射光利用を先導する卓越した若手人材を育成する。

気候と社会連携研究機構

地球温暖化に伴う気候変動の問題は深刻さを増している。これを人間社会が協調しつつ解決してゆくには、自然科学から人文社会科学にまたがる幅広い学知が求められる。気候と社会連携研究機構(UTCCS)には、多様な学術に取り組む学内12の部局から70名を超える教員が参画しており、気候変動の理解と予測、気候変動の生態系への影響解明、温室効果ガスの排出経路を決める将来の社会システムデザイン、気候正義にかかわる公共政策、さまざまな階層における行動変容、などの分野横断研究を推進する拠点であるとともに、本学のGX推進に協力し、広い視野をもつ若手人材を教育することを目指している。

未来戦略ライフサイクルアセスメント連携研究機構

未来戦略ライフサイクルアセスメント連携研究機構(未来戦略 LCA 連携研究機構/UTokyo LCA Center for Future Strategy, UTLCA)は、製品やサービスのライフサイクル全体の現在の環境影響を評価する従来のLCAを、未来の持続可能な社会を戦略的に構築するための「先制的LCA」に発展させることに取組む。本機構には、学内のLCA関連評価技術研究者が所属し、部門横断的に研究を推進する。また、学内の先端科学技術研究グループ、学外のLCA研究機関、企業、行政等とも連携し、成果の社会実装を目指す。この体制により、先端科学技術とLCAの専門知を併せ持つ人材を育成しつつ、インパクトのある情報発信を行い、LCAの国際拠点を形成する。

(令和6年度)

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